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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#17 チーグルの森・遭遇
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て、ティアは聞こえない程の声の大きさでアルに礼をいっていた。そして、更に森の奥へと進んでいった所で。
「あ!!」
「ん??」
「みゅっ!!!」
一瞬だったけど、何かの影が見えた。小さい影。
「あ、チーグルです」
「何ィ!?」
イオンが、そう言うと同時にルークも反応した。
「ああ!!逃げやがったっ!!」
小さくて、とても素早い。……気づいたらその影はいなくなっていたのだ。とは言え、ルークが、 いきなりあんな大声を出すんだから逃げられても仕方ない。
「えーい畜生っ!! とりあえずアイツを追うぞ!!」
逃げられた事に相当腹を立てたのか、森中に聞こえんばかりの声量で叫びながら、ルークはチーグルが逃げていっただろう場所へと追いかけていった。……あの声を訊いて怖がって出てこなくならなければ良いけれど。
「ヴァンの事……、聞かないほうがいいですか?」
イオンが心配そうにティアを見ながら聞いた。それは、確か、命を狙ってるとか何とかと話していた事だ。
アルも、そこにいた訳じゃないけれど、ルークが大声で騒いでいたので内容は大体把握している。
「すみません……。私の故郷に関わる事です……。 ルークやアル……そして、イオン様を巻き込みたくはありません……」
そのティアの話を聞いて、アルはティアの顔を見た。そして確信できた。何か、とても深い事情があるのだろうと言う事を。
だけど、それでも やっぱりアルは言わずにはいられなかった。
「ティアさん……オレも話は訊いていたよ。 ……あまり詮索はしない。事情については、ね。 でも、兄妹同士で、……
家族
(
・・
)
で争うなんて、 とても悲しい事だと思うよ。オレ……、過去の記憶が無いし、家族も判らないけど。それ位は分かるから……」
アルは、少し表情を暗くし、ティアにそう言っていた。
家族と言えば、今のアルにとって、サラ、ガーランド、レイの3人だ。……今の過去の記憶の無いアルには当てはまるだろう。
その皆と争う事になったしたら? 何か、重大な理由があって、やむを得なく、仕方なく争い戦ったとしたら?……どうしても、その先。全てを終えた時、アルには悲しみしか浮かばなかったのだ。
ティアは、それを訊いて目を瞑った。
「……ありがたく受け取っておくわ。 ……だけど、これだけは、私に譲れない思いがあるから」
目を開き……ティアは、アルに一礼をしながらそう言っていた。その後、アルの顔をみて。
「……それよりも、貴方も記憶が無いの?」
「え?……貴方、
も
(
・
)
? えっと、ひょっとしてルーク
も
(
・
)
、なの?」
アルは、ティアの言葉を訊いて、そう訊き返した。
この場にいる皆は、別に記憶が無い
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