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第四十二話 救出と説得
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その言葉にはいつもチャラチャラした雰囲気を一切見せておらずに今にも怒声を上げそうな小さく、そして大きい言葉だった。

「俺は・・・彼女を助けないといけないだ!だから俺は!!」

「だからってあんな無茶な事をやるなんて、キリト君らしくないよ!!何で私達に言ってくれなかったの!?」

「これは俺の問題なんだ。俺がやらなくちゃ意味が・・・」

キリトが言い切る前に・・・

ゴスッ!!

シュウの鉄拳がキリトの左頬を捉え、尻餅を付いた。キリトはシュウを見据えたがシュウの瞳には怒りが込められていた。

「シュウ君!?」

「大丈夫だ。加減はしておいた。おい・・・テメェはリーファの気持ちを踏みにじるつもりか?」

「そうじゃない!俺は無関係な人を巻き込みたくないだけだ!」

「無関係か。ならお前の目の前にいる彼女がお前の妹だったらどうする?キリト。いや・・・桐ヶ谷和人!!」

「何でリアルの名前を出してるんだ!こんな所でリアルの名前を出しても意味が分からないぞ!!」

「やっぱり・・・『お兄ちゃん』なんだね、キリト君」

シュウの意味不明の言葉にキリトは立ち上がり、シュウに詰め寄ろうとするとリーファが『お兄ちゃん』と言う事を発するとピタリと止まり、リーファを見据えた。

「スグ?直葉・・・なのか?」

「そうだよ。私は直葉。桐ヶ谷直葉だよ」

「俺がお前に聞かれて欲しくないと言って出て行かせただろう?それは彼女が直葉ちゃんだと言う事を確認したかったからだ。さっきの通り、その予感は的中していた」

シュウはリーファの顔が少しずつ壊れて行く事を気に掛けながら、続ける。

「そしてユイがお前が単独でクエストに挑んだ事を伝えに来た時に俺はリーファはお前を助けに行かねぇと思った。ゲームとリアル・・・この二つの世界で失恋しておいて立ち上がれる筈がねぇと思ったからな。だがリーファはお前を助けに来てくれた。これがどう言う事か分かるか?」

「キリト君・・・いやお兄ちゃん。私はお兄ちゃんの事が好きだよ?でも私はお兄ちゃんと明日奈さんの関係を壊したくない。私はお兄ちゃんに幸せになって貰いたい!だから私にも手伝わせて!!」

「スグ。俺はお前の気持ちも分からずに自分勝手にやってきた最低な兄なんだぞ?それなのに手伝ってくれるのか?」

「それが家族じゃないかな?お兄ちゃん」

リーファは涙目になりながら自分の考えを口にして行く。
シュウはここまでキリトの、兄の事を思えるリーファに感心の念を抱いていた。そして彼女の事を好きになれて本当に良かったと実感していた。
しかしリーファもシュウに救われていた。シュウの割り切れと言う言葉と告白もあったために今のリーファがあった。

「お前、こんなに想われてるんだぜ
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