第96話
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る信じないは貴方達の勝手です。
話を続けますよ。
この「体晶」は意図的に拒絶反応を起こさせ能力を暴走状態にする為の薬品である、と貴方達は説明を受けているかもしれませんが。」
女性は一瞬だけ間を開け、悪魔のような笑みを浮かべて言った。
「それは「体晶」の本来の役割ではありません。
副産物だと捉えてもらっても構いません。」
「どういう・・・」
「この「体晶」の本来の効果は服用した対象にある筈のない物質を生み出すというものです。」
女性の説明を聞いても麦野達は何を言っているのか分からなかった。
「これだけ言われても何も分からないと思いますので、簡単な説明をしてあげます。
貴女は今、大量出血をして輸血が必要です。
もし、貴女の血液型とは違う血液型が投与されればどうなると思いますか?」
例えばA型の人にB型の輸血をすると、A型の人が持っている抗B抗体で輸血されたB型の血球がすべて破壊され、その反応で重要な臓器障害が引き起こされ死に至る。
女性はその意味を麦野達は理解していると判断して話を進める。
「この「体晶」はそういう事なのですよ。
服用した対象にある特定の血を作り出すのです。
私達の身体に流れる偉大な神の血を。」
しかし、女性は途端につまらなさそうな表情を作る。
「ですが、実験は失敗に終わりました。
少しでも血を受け継いでいるのなら可能性はあったのですが、一滴も受け継いでいない者に服用しても酷い拒絶反応が出てバタバタと死んでいきました。
私が此処を去る時、副産物である意図的に拒絶反応を起こさせ能力を暴走状態にする為の薬品である、という結果に書き換えました。
ですが、適応者がいるなんて驚きです。
やはり何事にも例外がある、ですね。」
スラム街の入り口。
滝壺はキャンピングカーの側に立っていた。
麦野達の帰りが遅いので様子を見に行こうか悩んでいるのだ。
滝壺に戦闘能力はない。
彼女の能力もどちらかと言えばサポート型である。
それに能力を発動するために必要な「体晶」のケースは麦野が持っている。
どうするか考えている時だった。
入り口付近から呻き声が聞こえた。
それを聞いた滝壺はビクッ、と身を固める。
薄暗い入り口から手には人間の手ではなく鋭いかぎ爪で足は蹄のような足と、獣じみた顔を持った怪物が三匹現れた。
それを見た滝壺はひっ!、と声をあげる。
それと同時に軽い頭痛が彼女を襲った。
あの時、八雲の身体から出てきた触手を見た瞬間に感じた頭痛と同じモノだ。
怪物が滝壺に近づくたびに、頭痛が強くなっていく。
逃げないといけないのに、頭痛のせいで動く事が出来ない。
(あれから何か特殊な信号を感じる。
でも、
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