第96話
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に殺しますから待っていてください。」
やはり視線を向けず言い放つ。
女性は開いている拳を徐々に閉じていく。
それに応じて水も麦野の首を締め上げていく。
「さぁ、これで終わりです。
じわじわともがき苦しんで死んでください。」
麦野は両手を使うが締め上げているのは水なのでどれだけ触っても、意味がない。
酸素が無くなってきたのか麦野の身体が徐々に動かなくなっていく。
その時だった。
麦野のポケットから何かが落ち、カンコンと音をたてて地面に落ちる。
女性はそれを見つめる。
大きさはシャーペンの芯のケースほどの大きさの物体。
「体晶」のケースだ。
「体晶」とは暴走能力の法則解析用誘爆実験に使われた、意図的に拒絶反応を起こさせ能力を暴走状態にする為の薬品である。
暴走能力者の脳内では通常とは異なるシグナル伝達回路が形成され、各種の神経伝達物質、様々なホルモンが異常分泌されている。
それら分泌物質を採取し、凝縮、精製したものが能力体結晶である。
これを服用すると能力が暴走状態に陥り、適性がなければ拒絶反応を起こしてしまう。
本来ならデメリットしかない物だが、何事にも例外がある。
稀に暴走状態の方が良い結果を出せる能力者もいる。
それが滝壺の「能力追跡」で、使用には服用が必須なのだ。
麦野がなぜこれを持っているのかというと、不用意に滝壺が能力を発動しないようにする為である。
女性が「体晶」のケースを見た途端に眼の色を変えた。
「まさかこれは・・・・」
麦野の首を締め付けている水の拘束を解くと、「体晶」のケースを拾い上げる。
麦野は失った酸素を取り戻すかのように大きく呼吸する。
「ふふふふ・・・・あはははははははは!!!!!」
突然、女性が大声で笑い始めた。
「何が・・そんなに・・・・可笑しいのよ?」
大きく呼吸をしながら麦野は女性に問い掛ける。
女性は未だにふふふ、と笑いながら答えた。
「貴女がこの薬を服用しているのかしら?
いいえ、違いますね。
もし服用していたら近い存在の気配を感じますもの。」
「何を・・超訳の分からない事を・・」
「貴方達に私達の事を話しても意味ないと思いますけど、まぁいいです。」
女性は指で「体晶」のケースをくるくる回しながら言葉を続ける。
「この薬、此処では「体晶」と呼ばれる薬は私が作ったのです。」
「な・・に・・・嘘をつくな。
お前は「外」の・・・人間。
そんな・・お前が・学園都市の闇の研究に加わる事など・・・できない筈。」
「ですが、事実です。
まぁ、当時の記録や当時の研究者全員には私が研究長であった記憶は消していますので証明の使用がありませんが。
信じ
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