第一物語・後半-日来独立編-
第五十一章 その場所へ想い走らせたならば《2》
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?」
「別にどうもしないけどさ。やっぱりかってね」
「でもまさかね、結界を壊すことが出来るなんて。かなり強力なものだったのよ、あれ」
「お陰様でね」
会話は途切れ、しばしの沈黙。
戦場の声が聞こえるなかで、時を見計らいセーランを再び口を開く。
「通しては……くれないよな?」
「答えるまでもないわ」
「なら、やるしかねえか」
「勝てるのかしら、一度負けた相手に」
「だったら一度勝った奴とまた戦ったても勝てんのか」
結果。
「これから証明してあげるわ」
「絶対に勝つ。……俺は行くぜ」
次の瞬間。
双方は自身のいた戦闘艦の甲板を強く蹴り、宙で互いの攻撃を交えた。
セーランは左手を流魔で覆った打撃。
実之芽は雷をまとった右手の打撃。
ぶつかると、一瞬にして激しい光と音と共に戦闘が開始された。
光のなかからセーランは出てきて、流魔線を戦闘艦へと繋げた。
「食らいなさい!」
宙にいた実之眼は人差し指を空に上げ、こう叫んだ。
「雷下!」
するとセーラン目掛けて、晴れ渡る空から雷が落ちてきた。
一瞬空に閃光が走り、後から来たのだ。
流魔の雷が落ちてくる。
「嫌だねえ、その系術は」
言いながら流魔線を縮めて避け、その流魔線を離し、新たな流魔線を別の戦闘艦へと繋げる。
流れを止めずに続けて行き、
「ほらよっと」
一度流魔線を離し、流魔操作によって一本の太い棒を創り出す。
創り出した棒を握り、実之芽に向かって放った。
「そんなもの、目隠しにもならないわね」
と、言うが。
太い棒はある距離から割れ、十数本の細い棒となった。
しかし、それだけでは足りなかった。
「甘いわ。いくら数を増やしても、御雷神|《タケミカヅチ》の前では意味をなさない」
手を前に出し、掌から雷撃を放った。
正確には、雷撃と言うよりもビーム状に近い。
十数本と雷撃はぶつかった。
勝ったのは雷撃だ。
穿つ形で棒を粉砕するように貫き、行く雷撃が目指すのは宙にいるセーランだ。
速度が速い。
避けることは無理だと判断したセーランは目の前、腕を出して流魔を終結させた。
内部流魔を惜しんでいる余裕は無い。
出した手の前に、流魔が集結したため薄く青に染まり、一気に流魔は濃度を上げ物質となった。
完成したのは盾。
普通の盾ではない。
掌サイズの、小さい盾だった。
防御するには心許ない容姿だが、防ぐには充分だった。
高密度の流魔を圧縮した盾は、あらゆる攻撃を防ぐことが出来る。
結果、盾に雷撃が当たると、盾が砕け散り、貫かれる前に雷撃を外へと逸らした。
逸らされた雷撃は停泊していた戦闘艦へぶつかり、爆発を起こし消えていった。
盾は雷撃を受けた衝撃によりひびが
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