第十三話「新たな作戦」
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ーーー【エクスカリバー本部・会議室】
「"エリア27"での作戦は、結局失敗に終わったようだな、ヴェールマン」
「……はい」
「まぁ、そう言うな。彼等のおかげで"エリア27"内部の感染者数は約4分の1に減少したんだ」
「兵士達の活躍は承知している。問題はヴェールマン。君の指揮態勢についてだ」
「…………」
「君がもっと早く撤退命令を出していれば、ここまでの犠牲者を出さずに済んだ。違うか?」
「言い訳をするようですが、現地で無視できない問題が発生したのです」
「どういうことだね?」
「作戦実行中に、何者かが無線を利用し、感染者密集地帯に兵士達を誘導していたようです」
「なに?」
「その"裏切り者"によって、現地での無線は一時的に使用が不可に。それどころか、無線の記録は全て消され
ました。音声記録も通信ログも、残っていません。」
「なんということだ……」
「そこで、私から一つ提案があります」
「"裏切り者"を引きずり出すために、次の作戦を展開します」
ーーー【エクスカリバー本部・会議室前通路】
緊急の会議が終わり、会議室からヴェールマンが姿を見せる。
その後ろから、白衣の女性が声をかける。
「お疲れさま、ヴェールマン」
「珍しいね、アリア。君がここに来るなんて」
「新しい作戦を展開するそうだね」
途端にヴェールマンは、微妙な表情を浮かべて無言になった。
そんなヴェールマンの表情を見て、アリアは笑顔を浮かべた。
「そうなんだ……じゃあ、とうとう"覚醒兵"の試運転ができるわけだね」
ヴェールマンの表情が、微妙な表情から睨むような表情に変わった。
「………まだそんな人体実験を続けているのか?」
「人体実験?失礼だね。人類の新たな対抗手段と言ってほしいね」
「突然変異種にも武器無しで対抗し、少人数でも感染者の群れを蹴散らす。正に最高の兵士だよ」
「ねぇ、ヴェールマン………………」
「人類はあと、どれくらいの金と人命をムダにすれば気が済むの?」
ヴェールマンは何も返すことができなかった。
確かに、アリアの言う通りだった。
人類は平和を取り戻すために、膨大な数の金と人命を捧げてきた。平和が戻ると信じて………
しかし、レッドゾーンは今なお拡大を続けている。
今までの犠牲が無駄ではなかった、と言い切ることができるのだろうか?
しかし、それでも………………
「無駄ではない」
「え?」
「私は
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