マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
統一デュエル大会
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取る事が出来る間合いに入る事になった。
「……本番にしないか?」
「……そうすっか」
互いに剣を引き、背を向けて去って行く。
とは言っても俺はちょっと脇に行くだけなのだが。
人垣の外ではもう見知った顔が何人か揃っていた。一連の出来事は見られていたらしく、一様に微妙な表情になっている。
「ハンニャは底知れないからなぁー……」
苦笑しながら紅茶を煽るのはセイン。今回は出場しないが、応援にわざわざ来てくれた。
「レイ、何か分かったか?」
「おいおい、得物を向け合っただけで一合も打ち合って無いんだぜ?分かるかよ」
続けたキリトのセリフに呆れながらも心の中で冷や汗を流す。実を言えば向かい合っただけで分かった事は幾つかある。
……しかし、それも定かではないが。
「……確信、というか推測の域を出ないが……剣速も寸止めの精度もハンニャの方が上、だったと思う。……多分、ユウキと同じぐらい速いだろうな」
「え!?……じゃあ、ハンニャさんって……」
「いや、違うだろう」
アスナが目を見開いてこっちを見るが、即座に否定を返す。SAO生還者でもなく、メディキュボイド治験者でも無い。にも関わらずユウキレベルの反応速度を持っている。考えられる可能性はただ1つだ。
「……ハンニャはフルダイブマシーンの作り出す電気信号、マイクロウェーブに対して脳が天性の親和性を持つプレイヤーだ」
アミュスフィアの入力レベルやレスポンスは脳との親和性が高いほどVRワールドにおいてメリットが大きい。
大抵の場合、それらは累計ダイブ時間が長ければ長いほど良好となるが、やはり生まれつきの差は発生する。元SAOプレイヤーは総じて高い傾向にあり、特に攻略組だったものはあのチートステータスの事を除いても反応速度で『一般の』純ALOプレイヤーを凌駕する。
ユウキの超反応速度は天性のものに加え、全人類最長のフルダイブ時間から成るものだが……ハンニャは天性のもののみでそれに匹敵する。加えてあの戦闘センスと経験を持つプレイヤーだ。
「―――《戦神》、ハンニャ。名はその者を表すと言うが……あながち妄言でも無いか」
俺のその呟きに誰も応える事は無かった。
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予選。決勝トーナメントに進む方法は簡単だ。
所狭しと詰め込まれた闘技場内でバトルロワイヤル方式で残り8人になるまで斬り合い、撃ち合い、殴り合うのだ。
結果、東ブロック予選突破者(の内知り合いは)以下の通り。
キリト、ハンニャ、アード、ユージーンそして俺後の3人も大会上位常連の猛者。ちなみに西ブロック予選通過者はユウキ、アスナ。
風の
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