暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
対する影〜
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・その時、魔物が持っている武器に目が行った。そこには・・・

「なーーーー」

血が、付いていた。しかも乾いてこびりついた血じゃない。今さっき付着したような真っ赤な・・・そこまでで思考が止まった。

「ーーーー!!!」

擬音と迷切を引き抜き、邪魔な魔物を切り裂いていく。

「邪魔だテメェラァァァァ!!!」


「な、無謀です!」

「おぉぉぉるぁああああ!!」

気を武器に練り上げ、回転斬り。衝撃波が纏めて魔物を吹き飛ばした。

「はぁ、はぁ・・・」


気を無計画に使ったせいか息が乱れる。

「っ・・・」

上から生き延びていた一匹が跳んできた。

「くっ・・・!?」


不味い・・・!

「ビアシスライン!」

ズパァン!

ナタリアが放った矢が魔物を貫き、魔物が消滅する。

「・・・無闇に突撃するところはサキと似ていますのね」

「ナタリア・・・ごめん、助かったよ」


「いえ、それよりも・・・」

「っ、そうだ・・・!」


足下を見ると血が点々と続いていて、それは裏路地に続いている。そして裏路地には・・・

「・・・あ、ああ・・・」


血の海に沈む、シリカの姿だった。


「シリカっ!!」

駆け寄り、抱き抱える。腹部を何度も刺されているみたいで、出血が酷い。

「ナタリア!治癒術は使える!?」

「ええ!」

俺とナタリアがシリカに治癒術をかける。傷は塞がり、出血も止まるが・・・

「呼吸も正常ですが・・・顔色が悪いですね」

「なくなった血を戻すほど治癒術は万能じゃないからね・・・」

でも、死ぬほどではないはず・・・

「キュウ・・・」

ピナが不安そうにシリカの頬を舐める。

「・・・どうやら早急に寝床を探さねばなりませんね」

「だね。シリカを連れ回すのは得策じゃないよ」

辺りをぐるりと見渡すと、病院が眼に入る。

「この大きな建物は・・・?」

「ん・・・診療所、かな?」

「まぁ、なら宿泊施設もあるのでは?」

「・・・日も沈んできたし・・・ここしかないか」


俺はシリカを背負い、病院に入る。

「・・・暗いな」

「そうですわね・・・」

「さっきのコンビニには冷蔵庫の電源は入ってたんだけど・・・まずは電源探しか。ナタリア、暗いから周りに気をつけて」

「はい」

実際、スイッチはすぐに見つかった。それを押せば電気が付き、明るくなる。

「・・・うん、これでいいか」

後は適当な病室を・・・


カツン・・・


「・・・リョウ」

「ああ、聞こえた。誰かいるのかな・・・」


「確認しましょう
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