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銀河英雄伝説〜悪夢編
第三十七話 俺って役に立つだろう
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加わっているかどうかは分からない。しかし十五万隻以上の艦隊だ、全てとは言わないがその大部分を撃破すれば一気にこちらが優位になるだろう……。



帝国暦 488年 7月 12日  帝国軍総旗艦  ブリュンヒルト  エーリッヒ・ヴァレンシュタイン



帝国軍総旗艦ブリュンヒルトの艦橋は大勝利に沸き立っていた。
“逃げたのは二割、いや三割程度かな、大勝利だ!”
“ブラウンシュバイク公は逃したが副盟主リッテンハイム侯は戦死した”
“惜しかったな、ブラウンシュバイク公ももう少しだったのだが”

“第五陣がもう少し頑張れば”
“無理だよ、あれ以上は”
“そうは言うけど最終陣を任されたんだから”
“まあ、それはそうだけど……”

或る者は頬を上気させ、或る者は興奮して艦橋をうろうろと歩き回っている。そんな中、ラインハルトとキルヒアイスだけが興奮を共有していない。自分達ならもっと上手くやるとか思ってるんだろうな。まあオリジナルはラインハルトだ、否定はしない。

貴族連合軍は十五万隻で攻め寄せてきたがこちらの縦深陣に捕まり逃げ帰ったのは四万隻に満たない兵力の筈だ。それ以外は大部分を撃破した。戦場から逃亡したのはほんの少しだろう。リッテンハイム侯は第四陣の辺りで戦死したようだ。アイゼナッハとルーディッゲだな。二人ともいい仕事をした、後で誉めておかないと。

オペレーターがビッテンフェルト、ファーレンハイトから通信が入っていると報告してきた。まあ大体何が言いたいかは想像がつく。繋ぐ様に命じるとスクリーンにビッテンフェルトとファーレンハイトが映った。二人とも多少面目なさそうな表情をしている。しょうが無いな、先手を打つか。

「良くやってくれました、ファーレンハイト提督、ビッテンフェルト提督」
俺が声をかけると二人が驚いたような顔をした。艦橋の人間も驚いたような表情をしている。
『あ、いや、我ら両名最終陣を任されながらブラウンシュバイク公を撃ち漏らし……』
ファーレンハイトがもごもご言いだしたが手を振って止めた。

「気にする事は有りません、ブラウンシュバイク公はガイエスブルク要塞に戻るしかありません。それにこの会戦の勝利で貴族連合軍の敗北はほぼ決定しました。慌てる必要は無いのです」
『ですが辺境では反乱軍が……』
「そちらはメルカッツ提督に任せましょう。手に余るようならば救援要請が来るはずです。……ファーレンハイト提督、ビッテンフェルト提督、良くやってくれました」
『はっ』

残敵を掃討するように命じて通信を切った。艦橋の皆が俺を見ている。
「ブラウンシュバイク公が逃げ延びたのは我々討伐軍全体の責任です。第五陣は十分にその役目を果たしました。明らかな失態が有るならともかくそうでないなら味方を不用意な発言で責め
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