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「新しいペルソナ使いが見つかった」
飲んで食べてをしていると気づけば夜、寮に足を運ぶとそんな声が耳に届いた。
「お、裏瀬か……ってお前、酒臭いぞ」
真田が顔を顰めて苦言を呈するが、そんなことはどうでも良い。
「新しいペルソナ使いって?」
「そうっすよ。もしかして、女子っすか?」
伊織の興味はそこにあるらしい。
公子と岳羽が呆れたような視線を送っているが、まるで気付いていない。
「女子だ。ウチの高等部2年のな。"山岸風花"……お前達、知ってるか?」
…………風花だと?
一気に酔いが醒める、何故彼女がと言う疑問が俺の胸裏を駆け巡る。
「山岸? ああ、確かE組の……なんか、身体が弱いとかで学校ではあんま見ないような……」
岳羽は知っているらしく、そんなことを口にする。
「俺達の居た病院へ来てたらしい。それで"適性"が見つかった」
S.E.E.S.の手は病院にまで伸びている、か。
桐条の力ならばそれも当然と言えば当然だろう。
「しかし素養があっても身体がそれじゃ、戦いは無理かもな」
確かに身体は強いとは言えないが、心因的なものもある。
恐らくはこの寮に住まなくてはいけない、そう言えば喜んで喰いつくだろう。
「召喚器も用意したが、望み薄だろう」
「ええ!? もう、諦めちゃうんスか!? 折角、俺が手取り足取り個人レッスンとか!」
下卑た顔をする伊織に女性陣からため息が漏れる。
「ジュンペー最ッ低ー」
「私も同意だわ、アンタ本当にアレよね」
「ひ、ひでえ!? 俺は別に下心とかそう言うんはなくてだな!」
ふと、真田の視線が俺に向けられていることに気付く。
「何か?」
「いや、随分と険しい顔をしていると思ってな。何かあったのか?」
「タダの飲み過ぎだよ。別に気にするこっちゃないさ」
俺と風花が幼馴染だと言うことまでは調べていないのだろう。
簡単なプロフィールぐらいしか調べていないなら僥倖だ。
俺自身、わざわざ風花との関係を口にする気はないし。
「飲み過ぎって……私達が苦しいテスト期間を過ごしてる時に……ズルくない?」
公子はともかくとして、岳羽はよく物怖じしないものだと思う。
ある一定のライン以上には踏み込まず、踏み込ませずで人付き合いをしている彼女ならではか。
「そーそー! タルタロスにも行かずに頑張ってたのにさぁ」
「ツッコむのそこじゃなくね? 俺らと同じ未成年ってとこだろ問題は」
随分と真っ当なことを言うものだ。
それに、俺じゃなくてもこのくらいの年齢なら隠れて飲んでいるだろうに。
「確かにあまり関心は出来んな。飲酒、喫煙、退学ものだぞ」
「それならそれで大
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