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コールが抜けていないので徒歩だ。
「そう言えば、聞いていい?」
「ん、何だ?」
「前にチラっと話してた荒垣って男のことだよ」
その一言で空気が変わるのを肌で感じたが、無視しても問題ないレベルだ。
気分を害したからと言っていきなり殴りかかる男でもないし。
「天田」
「ッ……調べたのか?」
目を剥く真田、それだけで総てのピースが繋がり一枚の絵になった。
詳しく調べるつもりはなかったが、まあ折角なので話題に出してみたが……
何とも正直な男だと思う。
「ああ、とは言っても今のリアクションで確信を得たって感じだがね」
「……カマをかけたのか?」
「まあね。やっぱ、そう言う事情で荒垣はS.E.E.S.を抜けたってわけかい」
それは本当に偶然、何らかの事故のような形だったのだろう。
影時間内で荒垣は天田と言うシングルマザーを殺めてしまった。
だが、影時間が終わればそれは事故として処理される。
その負い目のようなものがあるからこそS.E.E.S.を抜けた。
しかし何故タカヤらと接触をしているんだ?
「あれは、事故だった。ペルソナの暴走でアイツは……」
「暴走?」
「ああ。ペルソナを制御し切れないと言う例もあるんだ。有里も一度、暴走のような形でシャドウを葬ったことがある」
それは初耳だが……まあ、今はいいだろう。
「それ以来アイツは俺達から距離を取った。自責の念を感じているのだろうが、責任があるとした俺や美鶴もそうだ」
「止められなかった罪ってか?」
「そうだ。お前には分からないかもしれないがな」
毒のある言い方だと思う。
が、それはその通りで、俺が実際真田の立場にあったなら特に気にすることはないはずだ。
「ふぅん……だったら忠告。件の荒垣な、あんまよくない連中とつるんでるみたいだぜ」
「何?」
タカヤらについて話す気はないが、これぐらいは言ってもいいだろう。
「それは、お前のような人種と言うことか?」
「言ってくれるなオイ……まあ、俺とは違うタイプの性質悪い奴さ」
向いている方向が違うだけでロクデナシ具合で言えば五十歩百歩だ。
「分かった。気に留めておこう」
「ああ」
タカヤらのことを話せば間違いなく拗れる。
下手に関わるようになれば……さて、こっちは何人殺られることになるのか?
真田、桐条は大丈夫だろうが、他のメンバーや顧問の幾月辺りは危ない。
俺ならば狙い易い幾月を狙って敵方に精神的圧迫を掛けるだろうし。
怪しいあのオッサンが馬脚を現す前に殺されては困るのだ。
「そう言えば、有里から聞いたんだが……お前、武器は自前で用意するそうだな」
「ん、ああ。それが?」
ついこの間届い
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