ターン28 蘇った少年と不死を目指した男
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と明るく手を振るのは身元も経歴も不明だけどデュエル脳では一級品、謎の廃寮に住むゴーストリック使いの幽霊、稲石さん。びっくりすんなあもう。
「えっと、どしたんですかこんなところで」
「なーに言ってんの。ここ自分が住み着いてるんだよ?むしろいない方がおかしいっしょ。あ、清明以外の人には初めましてだね。廃寮住込みの幽霊、稲石です。どもよろしく」
「えーと……初めまして、なんだって」
「ど、どうもなんだな」
「初めましてッス」
ぎこちないなりに自己紹介を終える夢想たち。相手が幽霊だからある程度ぎこちなくなるのは仕方ないんだろう。僕も最初に気づいたときは本気で怖かったから人のことは言えないし。
「それで君たち、いったい何しに来たんだい?」
セブンスターズとかのことも全部ばらしちゃっていいんだろうか、と素早くアイコンタクトをかわす。いいのかなあっさり言っちゃって、まあいいんじゃない悪い人じゃないし。
「実はかくかくしかじか、ってわけ。ねえ稲石さん、何か知ってない?」
「まるまるうまうま。なるほど、そういうことか。ねえ君たち、実は自分に心当たりが一つあるんだ。つい昨日のことなんだけどいきなり地下通路の一部が何者かに爆破されて、その向こう側に隠し通路が見つかったんだよ。いかにも怪しいからスルーしてたんだけど、たぶんそこが怪しいと思う。案内するからついてきて」
そういうが早いが、ひらりと体を反転させて相変わらず足音ひとつ立てず、もっと言うと足すら動かさずにすうっと床の上を滑るように先頭に立つ稲石さん。願ったりかなったりだ、ここは迷わずついてくしかないね。と、そんな僕の服の襟をぐっとつかんだ隼人が、稲石さんに聞こえないようにそっと耳打ちしてきた。
「(いいのか、清明?なんか話ができすぎてる気がするけど、本当に信用して大丈夫なのか〜?)」
なんだ、何かと思えばそんなことか。
「大丈夫、僕は稲石さんを信じてるよ。だって、僕はあの人とデュエルして友達になった………かどうかは向こうがどう思ってるかわかんないけど、あの人が信用できるってことはわかったんだ。十代のいつも言ってる『デュエルすれば分かり合える』ってのも、あながち間違いじゃないのかもね」
「ここ、さ。ここから先には自分もまだ入ったことがないんだけどね」
「なるほど、じゃあ……」
ここから先は僕らだけで、と言おうとしたのを遮るようにして、素早く言葉を続ける稲石さん。
「だから、自分もついてくよ。そもそも、ここは自分の家なんだ。勝手に荒らされていい気はしないしね」
「あー、はい。そですか。じゃあ行きましょ」
この人の性格からいって、何言ったって勝手についてくるだろう。こっちだって急いでるんだし、無駄に言い争ってる暇
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