ターン28 蘇った少年と不死を目指した男
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とある朝。のんびり朝ご飯を食べながら、なんだかこの数日間はずいぶんとイベント盛りだくさんだったなあ、なんてことをぼんやり考えていた。なにせ黒蠍団の面々に鍵を盗まれそうになったけど最終的には万丈目、もとい名探偵万丈目サンダーの活躍によってレッド寮に住みついてもらったり、アビドス三世とかいう正直聞いたことない名前の昔の王様がスピリッツ・オブ・ファラオを引き連れて十代と戦ったり、コスプレデュエル大会にブラマジガールが出てきたり。ちなみに僕はジョーズマンのコスプレで出てました。
「よう、清明」
「あ、おはよ万丈目。十代たちはまだ?」
寝てるのか、という意味を込めて軽く上を指さすと、無言でうなずいて肯定する万丈目。まったく、こっちは最近始めたレッド寮すぐそこの土地で(勝手に)始めた畑の世話とかようやく直った投網の練習とかで忙しいってのに。
「………なんか理不尽。とゆーことでこれはもらってこっと」
言いながら、盆の一つから焼き魚を一匹くすねる。いっただきまーす。
「ふむ、じゃあ俺も」
万丈目が取ったのは、味噌汁と納豆。それぞれ別のトレイからとってある程度のバランスをとるあたり、こいつもなんだかんだ言っていいやつだと思う。
それからしばらくの間、特にこれといった会話もせずに無言でむしゃむしゃと朝ご飯をほおばった。普段なら僕ら二人でもなにがしかの会話があるもんなんだけど、何せ今日はいつもとは勝手が違う。僕ら全員が隠してはいるけど、正直不安でいっぱいなのだ。
「ごちそうさまでした。ねえ、万丈目」
「なんだ」
「大徳寺先生、どこにいるんだろうね」
「……さあな。ほら、早く出発しないと遅刻するぞ」
「そう、だね」
昨日から姿を見せない、大徳寺先生。夕飯も朝ごはんも食べに来てないけどもしかしたら、授業の準備をしてて朝早くから学校にいるのかもしれないし。まさかあの先生に限って、誰にも何も言わずにセブンスターズにケンカを売るなんてありえない……はず。
「よし、今日も行ってきます!」
『おー、行って来い』
とりあえず僕に今できることなんて、ユーノの声を後ろに聞きながら、一時間目の錬金術の授業に大徳寺先生が出ることを願いつつ遅刻しないように校舎まで急ぐことだけだ。……あ、十代起こすの忘れてた。ごめんね。
「やっぱダメ、か」
「来ないね、だってさ」
「別にお前のことを疑ってるわけじゃないが、本当に昨日から大徳寺先生のことは見てないのか?」
三沢、その質問はこれで3回目だよ。まあ、その気持ちもわからないではないので素直に同じことを言うだけにしておくけど。
「うん、昨夜からいないんだよ。昼までは間違いなくいたのに」
昼間購買に行ったときにトメさんにもりそば頼んで
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