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misfortune
第二部
Offender

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雲に隠れていた月が再び姿を現し、月明かりがその惨劇を物語る。
?夢ならどうか覚めてくれ...
私はそう祈るばかりだ。
確か、あの男は『依頼』と言っていた。大方この太った男が依頼したのだろう。つまりこいつは主犯。だからと言って主犯のこいつを殺しても私のこの思いが消える訳じゃない。あの黒い男も殺さなきゃ。
私の中で沸々と何かが沸き上がった。
ー嗚呼、これが“怒り”と言うやつなのだろうか。
ならこの気持ちは“怒り”であり“恨み”。それを晴らすまで私は捕まる訳にはいかない。
後ろに人の気配がする。騒ぎを聞きつけてやって来たのだろう。
何かを言っているようだが、私の耳には雑音としか入らない。
私が振り向くとそいつらは銃口やナイフを向けてくる。
見た所数は十数人。一人で相手にできる数ではない。
私はそいつら向けて走り出し、一人ずつ目玉を抉ってく。視力さえ奪ってしまえばこっちのものだ。
そいつらは顔を抑えて膝をつく。「痛い痛い」と嘆いて。私はそいつら数人が落とした数個のナイフの中から一つ持った。
私はそのナイフをぎゅっと握って数人の喉を裂く。どしゃっと倒れ込むそいつらは虚ろな目で「ヒュー、ヒュー」と口で息をする。
痛いだろ?辛いだろ?苦しいだろ

私たちはずっとそんな思いをしながらこのスラムで生きて来たんだ。
私の“それ”は『恨み』と言うより『妬み』に近かった。
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