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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
まもなくあの方成仏するそうなんですが・・・・
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助にもわかってきた。
つまり、この俺の前にいる田中という男は幽霊で、さっきから彼女と会話している。で、どうやら俺のことを田中が話したらしい。
しかし、そこでまたひとつの疑問。
「なんで田中って人は、俺がアンタを助けたことを知っているんだ?」
あくまで田中の方は向かずに彼女にのみ焦点を合わせる。ささやかな抵抗だ。
しばらく間があって彼女、
「私がさらわれたところを見ていた田中さんが、それを追いかけていくあなたを見て、あなたがただの人間じゃないことに気づき、ここまで追ってきた、と言っています。確かにあなたは魂が変ですね。ほぼ幽霊のものです。」
と彼女。魂が変って?と彼女に聞くと彼女は、
「私は人の魂を見ることが出来るんです。大体人はほぼ心臓と同じ位置に魂を宿していて、魂の形や色はその人を表しているんです。しかし、あなたの魂は、なんだか、半透明で、まるで幽霊みたいです。」
・・・・また不思議少女が謎の能力を紹介。一体何なんだこの女性は。
さまざまな疑問を抱えたまま俺は問う。
「あんた、名前は?まだ聞いてねぇぞ。」
結局俺は、それを問う。彼女はよく分からない謎の能力の持ち主だけど、俺のことを全部知ってるみたいで、たとえこのフワフワウザウザした田中とかいうオッサンがそれを彼女に教えたとしても、なんだか、それを知った上で接してもらえるのはうれしくて、気がついたら自己紹介をしていた。
「俺は伊島宏助だ。あんた達が言う、魂だの肉体だのってはなしはよく分からないが、とにかく蘇って人外となった化け物だ。そんなことを知って俺に接してくれた人間はあんたがはじめてだよ。」
素直な言葉で彼女に言う。すると彼女も答える。
「私は、神条麗です。あなたこそ、私のこの不思議な能力を聞いても、私と接してくれるなんて、麗以来です。そんな人は。」
彼女も素直に俺に言う。俺はそんなことを言われて、少々ドキリとした。
そんな一風変わった自己紹介を見ていた幽霊ー田中は満足したような笑みを浮かべる。そして彼は、
その半透明の身体を天へと散らせ始めた。
「!!」
その様子に気づいた彼女が田中の方を向く。
「た、田中さん!そんなまだ早いです。あなたはもう逝ってしまうんですか?あなたの未練は・・・・これで果たされたんですか?田中さ〜ん!」
田中のその半透明の身体は白い霜のようなものに変わって天へ舞い上がっていった。彼は最後に俺に微笑し、そして・・・・消えた。
「・・・・そんな田中さん・・・・・。」
俺はそんな中ただ一人思っていた。
・・・・え?なにこれ?

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