クトゥグアとの戦い U
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大群が近寄ってくる。
『・・・今度こそ終わりだ神殺し。』
だが。
やはり、クトゥグアは本当の意味で神殺しというのがどういう存在か理解していない。彼らに時間を与えてはならない。勝とうと思うのならば、最初から最後まで押し切らなければならない。ヘタに追い詰めて放置するのは危険なのだ。重傷を負った彼らは、最早誰にも止められない恐るべき怪物と化すのだから。彼に、休息の時を与えるべきではなかったのだ。
「・・・凍れ。」
ボソリと呟かれたその言葉。決して大きな声では無かったが、その声は彼女たちの根源的な恐怖を思い出させるには十分だった。クトゥグアは、急いで彼の首を刈り取ろうとした。
ジュッ!
彼女の放った蒼炎も、コルヴァズの剣の斬撃も、その一枚の氷の盾に防がれる。と言っても、防ぐことが出来たのは、ほんの一瞬だけ。クトゥグアの蒼炎に耐え切れる訳もなく、即座に蒸発した・・・が、
『いない!?』
そこには既に、彼は存在しなかった。
氷の盾は目くらまし。彼は、その次の瞬間には、『神速』を発動していたのだ。クトゥグアの攻撃範囲から離れた彼は、言霊を唱える。
「聖なる者も邪悪なる者も我を畏れよ。我は混沌を支配する者。全てを嘲笑い、踏み潰す者也!」
彼の、正真正銘の奥の手。
その言霊を叫んだと同時に、彼の体に変化が起こる。鍛えた彼の身体が一瞬にして分解された。その代わりに出現したのは、漆黒の装甲。全身の変質は瞬時に終了し、剥き出しだった頭部には、フルフェイスタイプの装甲が追加された。全身の装甲に走るのは、数本の禍々しく赤い線。
「・・・・・・終わらせようクトゥグア。」
全てが終了したのは僅か一秒後。今までの護堂とは全く違う、禍々しい戦士は構えを取った。
『・・・馬鹿な。』
「行くぞ!!!」
護堂は『神速』を装填し走る。クトゥグアへ・・・ではなく、炎の精の元へ。
「一撃で・・・終わらせる!」
加速された時間の中で叫んだ護堂は、神速を維持したまま、『雷』を装填した。
護堂の体から、直視出来ない程に眩い電撃が発せられる。神速のスピードで炎の精たちの周りを走り回った後には、その全てが、強力な電撃によって消滅させられていた。
何故電撃なのか?それは、炎の精たちは完全な炎の体だったためである。クトゥグアは、肉体を持っていたから殴れたが炎を殴ることは出来ない。ならばどうすればいいのか?
1933年に発表されたワンドレイという作家の作品『The Fire Vampires』において、人類
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