クトゥグアとの戦い U
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の数々に、意識が追いつかなかったのである。
ドゴ!!!
『カ、ハ・・・!?』
殴ったとは思えないほど、凄まじい音が響く。氷のガントレットは、クトゥグアの熱に溶かされることもなく、彼女の腹部へと吸い込まれていった。彼女の肉体は、決して頑丈ではない。肺の中の空気を出し切った彼女だったが、護堂は情けなど掛けずにここで決めるつもりだった。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
左腕にも、右腕と同様のガントレットを作り出した護堂は、ラッシュを開始する。
ドドドドドドドドド・・・!
両腕による全力の攻撃は、確実に彼女にダメージを与えている。
(いける・・・!押し切る!!!)
そう思った瞬間だった。
『調子に乗るなよ・・・神殺し・・・!』
その声と同時に、護堂の背中に熱線が直撃した。
「あ・・・・・・!」
炎の精による攻撃である。クトゥグアが操作しなくても、彼らは動くことが出来るのだ。自身の主の危機を見逃す訳が無かった。
「う、あ・・・。」
声も出せない。心臓は逸れていたが、熱線は完全に護堂の体を貫通していた。体に力が入らなくなった護堂は、膝から崩れ落ちる。
『・・・見事だった。神殺しよ。』
地面にうつ伏せに倒れた護堂を見下ろすクトゥグアも、満身創痍であった。護堂の攻撃は、間違いなく彼女を追い詰めていたのだ。
『今までは完全に防いでいた熱線で、体に穴が空いた。・・・貴様の権能の正体が分かったぞ。・・・『自身の能力を書き換える』。それが貴様の権能だな?』
「・・・ぁ・・・。」
権能の正体を見破られた。護堂は、状況が詰みの状態へと変化しかかっていることを理解した。
【ステータス改竄】は、自身の能力を自由に書き換える権能である。装填出来る能力は一つだけ。だからこそ、複数種類の攻撃を同時にされると弱い。
例えば、先ほどのように、クトゥグアを殴る為に『剛力』を装填したせいで、クトゥグアの体の熱に『耐火』で対抗出来なかった。
例えば、クトゥグアの蒼炎を防ぐ為に『耐火』を装填しているときは、コルヴァズの剣による物理攻撃を防ぐことが出来なかった。
『神速』を発動したまま『氷結』による攻撃も出来ないし、『氷結』で攻撃していたから熱線に対応出来なかった。
万能なように見えて、弱点が丸分かりな権能なのである。同時に、様々な攻撃をするだけで攻略出来るのだから。
『タネさえ分かればどうということはない。』
そう言いながら、クトゥグアは再度蒼炎を出現させ、いつでも攻撃出来るようにコルヴァズの剣を携えた炎の精の
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