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カンピオーネ!5人”の”神殺し
クトゥグアとの戦い U
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の数々に、意識が追いつかなかったのである。

 ドゴ!!!

『カ、ハ・・・!?』

 殴ったとは思えないほど、凄まじい音が響く。氷のガントレットは、クトゥグアの熱に溶かされることもなく、彼女の腹部へと吸い込まれていった。彼女の肉体は、決して頑丈ではない。肺の中の空気を出し切った彼女だったが、護堂は情けなど掛けずにここで決めるつもりだった。

「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 左腕にも、右腕と同様のガントレットを作り出した護堂は、ラッシュを開始する。

 ドドドドドドドドド・・・!

 両腕による全力の攻撃は、確実に彼女にダメージを与えている。

(いける・・・!押し切る!!!)

 そう思った瞬間だった。

『調子に乗るなよ・・・神殺し・・・!』

 その声と同時に、護堂の背中に熱線が直撃した。

「あ・・・・・・!」

 炎の精(The Fire Vampires)による攻撃である。クトゥグアが操作しなくても、彼らは動くことが出来るのだ。自身の主の危機を見逃す訳が無かった。

「う、あ・・・。」

 声も出せない。心臓は逸れていたが、熱線は完全に護堂の体を貫通していた。体に力が入らなくなった護堂は、膝から崩れ落ちる。

『・・・見事だった。神殺しよ。』

 地面にうつ伏せに倒れた護堂を見下ろすクトゥグアも、満身創痍であった。護堂の攻撃は、間違いなく彼女を追い詰めていたのだ。

『今までは完全に防いでいた熱線で、体に穴が空いた。・・・貴様の権能の正体が分かったぞ。・・・『自身の能力を書き換える』。それが貴様の権能だな?』

「・・・ぁ・・・。」

 権能の正体を見破られた。護堂は、状況が詰みの状態へと変化しかかっていることを理解した。

 【ステータス改竄(チート・コード)】は、自身の能力を自由に書き換える権能である。装填出来る能力は一つだけ。だからこそ、複数種類の攻撃を同時にされると弱い。

 例えば、先ほどのように、クトゥグアを殴る為に『剛力』を装填したせいで、クトゥグアの体の熱に『耐火』で対抗出来なかった。
 例えば、クトゥグアの蒼炎を防ぐ為に『耐火』を装填しているときは、コルヴァズの剣による物理攻撃を防ぐことが出来なかった。
 『神速』を発動したまま『氷結』による攻撃も出来ないし、『氷結』で攻撃していたから熱線に対応出来なかった。

 万能なように見えて、弱点が丸分かりな権能なのである。同時に、様々な攻撃をするだけで攻略出来るのだから。

『タネさえ分かればどうということはない。』

 そう言いながら、クトゥグアは再度蒼炎を出現させ、いつでも攻撃出来るようにコルヴァズの剣を携えた炎の精(The Fire Vampires)
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