クトゥグアとの戦い U
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!?」
予想以上の痛みに、声を殺しきれない護堂だったが、クトゥグアも相応のダメージを受けていた。
『ガッ・・・!?』
足場がなく、力が入れづらい状態だったにも関わらず、護堂の拳は彼女の体を何十メートルも吹き飛ばしていた。彼女の熱で溶けた溶岩の上を、水切りの石のように何度も跳ねた彼女は、溶けずに残っていた大岩に衝突する。しかし、流石の大岩もその衝撃には耐え切れなかったようで、次の瞬間には崩落を始めた。
その下に墜落した、クトゥグアの小さな体へと向かって。
ガラガラと。凄まじい音を立てて、瓦礫が積み重なっていく。だが、相手はまつろわぬ神。あの程度の攻撃で死ぬことは無いだろう。
「フゥ・・・ハァ・・・。『剛力』削除、『治癒』装填。」
護堂は、呼吸を正しながら体の調子を確かめる。あれ程負っていた怪我は、新たに追加した『治癒』の効果によって癒され始めている。驚いた事に、炭化した右腕すらも修復され始めていた。流石に、焼け落ちた服まではどうにもならないが、これも能力によって強化されていた為に、致命的なほど燃えている訳ではない。
「追撃・・・は、止めておいたほうがいいか・・・。」
一瞬、今のうちに攻撃を仕掛けたほうがいいのではないかと思った護堂だが、直ぐにその考えを破棄する。
何故か?
『く、ククク・・・。ハハハハハ!!!』
膨大な呪力が、吹き荒れ始めたからだ。楽しそうな声が、彼女はまだまだ戦えると宣言している。ここで不用意に攻撃を行って、反撃を喰らうような愚は避けたいところだ。
肉が焼けるような音を立て、積み重なっていた瓦礫が溶けていく。
『フフフ・・・そうだ!そうでなくてはならん、我が敵よ!我が宿敵を横から攫ったのだ。奴以上に強くなくてはならん!貴様を倒して漸く、我は奴との決着を付けることが出来るのだ!!!』
護堂に殴られたダメージは中々大きいようだったが、瓦礫は意味がなかったようだ。そのダメージすらも無視して、彼女は叫ぶ。
「そっちの都合なんか知るか。迷惑なんだよお前。俺は、俺の都合でお前を倒す。」
彼の怪我は、ほぼ修復されていた。カンピオーネの出鱈目な肉体性能でも説明がつかないほどに異常な回復速度。それを見て、クトゥグアは首をひねった。
『我の蒼炎を耐え、神の如き膂力を持ち、更に自己修復までする。中々多芸な権能を持っているようだな。』
「ハッ!自分の権能をバラす訳無いだろうが。」
『それもそうだな。』
権能の効果を推察するのも、神々の戦いでは重要なファクターである。絶対の自信を持っていても、どういう手段で攻略されるか分からないからだ。今の護堂のように。少しでも情報を出してくれればこれからの戦いも有利になるのだが・・・と、ク
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