第九十六話
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の排除に使い、最後の一つで聖杯の破壊を命令した所で使い切る。
現界する魔力を都合よく使い切れば良いが、そうでなければ最後に手痛い反撃が待っているかもしれない。
最後はやはり自決用に取っておきたいのだろう。
だが…
「私達の目的もこの汚染された聖杯の破壊。だからあなた達があの孔を破壊したいと言うのなら邪魔はしないわ」
と凛が俺達の目的を答えた。
それにそろそろ此方も動かなければ成らない。
凛は宝石を取り出し飲み込むと大幅に魔力を増大させ泥の中へと入っていった。
サーヴァントである俺とソラは入っていく事は叶わない。肉体と言う殻を持たない今の俺達では一瞬で黒い泥に汚染されてしまうだろう。
「なっ!?」
時臣の上げた驚きの声はどっちだろうか。泥の中に入っていった事か、それとも宝石を飲み込んだ事か。
凛は泥を掻き分けて祭壇へとたどり着くとイリヤを孔から切り離し、抱え上げると来た道を戻るが穿たれた孔は塞がらない。
「大丈夫?イリヤスフィール」
「大丈夫よ、凛…」
迂闊な凛の言葉に耳ざとく状況を窺っていた切嗣が息を呑む気配が感じられた。が、今はそれは関係ない。
イリヤは無事に聖杯から切り離され、切り離された結果孔は塞がらず拡大を続けている。
ガチャリとグリップに掛かる金属が引き絞られるような音が聞こえる。それに慌て観念したのか、しかし何処か晴れ晴れとした表情を浮かべながら一度時臣は自身の令呪を一瞥したあと視線をギルガメッシュへと向ける。
「王よ、お願いしたき儀があります」
「一応聞いてやるぞ、申してみるが良い」
「はっ。
此度の聖杯戦争で得られる聖杯はまがい物にございます。あれは王の蔵に蔵されるべき物ではございません。王自らの至宝にてあの孔を吹き飛ばしてはもらえまぬでしょうか」
「ふむ。そんな物は庭師の仕事だと言う所だが、あの泥は見るに耐えぬ。貴様が令呪の一画を使い我をひと時律する事を許そう」
「ありがたきお言葉…」
時臣は令呪に魔力を送って発動させる
「英雄王に令呪を持って願い奉る。王の至宝の輝きにて聖杯の破壊を」
「良かろう」
おや、これは俺達は必要ないかもしれない。
ぐんと令呪によるバックアップにより大量の魔力がギルガメッシュを猛らせると、後方から一つの剣のような筒を取り出しその柄を握る。
筒の中が回転し、辺りの魔力を食らうと真名の開放と共にギルガメッシュは穿たれた穴に向かって振り下ろす。
「天地乖離する開闢の星っ!《エヌマ・エイリシュ》」
放たれた一撃は世界を断ち切る力を持って聖杯が穿った孔を吹き飛ばし、破壊しつくした。
閃光と暴風が止むと切嗣はすでに消えていた。
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