第一幕
一陣の失脚
001
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そういえば、彼女には連れがいると聞いていたのを思い出した。
まずは此方の連れが待っているので、合流してから彼女の連れを共に探そうと此処に連れてきたのだ。
まさかこんなことになるとは思ってもみなかったが。
この天女であろう女性をどうするか、とりあえずいつまでも地面に寝かせるのは悪いので抱き起こしたが、三成が牽制するように睨みを効かせる。
「家康。その女をどうするつもりだ」
「あー...とりあえず秀吉公のところに連れていこうと思うんだが」
「ふざけるな。災厄を齎すとされる女をなぜわざわざ秀吉様の許へ...」
「噂だけかも知れんぞ?彼女に連れがいるというのも気になるし、それに」
彼女によって被害を被っているとされる甲斐と奥州はどうであれ、今まで彼女が横断してきた地方領主、上杉北条からはそれほど悪い噂は流れていない。
なぜその二国が無事なのかはわからないが、今の彼女の様子からすると恐らく豊臣は問題ない気がする。何の根拠もないそれを話せば三成はそれこそこの女性を頑なに連れて行こうとしないだろう。
――彼女の髪色からして天女であることはなんとなく察しがついているが、同時に奥州の独眼竜に寵愛されていると聞く。
今回彼女の言っていた“連れ”は果たしてだれであるのか。
推測なら独眼竜ではあるが、それは所詮推測にすぎない。
不安に駆られる家康の推測が当たらなければいいのだが。
そんな懸念を抱くも、遠くで落雷したような音が轟いてきた。
どうやら家康の杞憂には終わらなかったらしい。
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