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あるが、万人にとってかと言われれば首を傾げてしまう。
「私、ペルソナを複数使えるんだ」
「は?」
ちょっと待て、あれは一人一体じゃないのか?
自分とタカヤ達の例しか知らないが……
第一、ペルソナはもう一人の自分ではなかったのか。
女には色んな顔があるとでも?
「愚者《ワイルド》って力らしいんだけどね? 私は色んなペルソナが使えるから……」
「様々な局面に対処出来る、か。成る程、それなら納得だ」
反則染みた能力だと思う。
何せ攻撃パターンが読めないのだから。
代わる代わるペルソナをチェンジしながら戦われたら……キツイな。
直接本人を狙うくらいしか有効な手が思いつかない。
「ちなみにワイルドの力を持ってるのはキミだけ?」
「うん。知ってる限りではだけどね」
「へえ……特別な力ってわけか」
特別な力を持った人間がフラリと転校して来る、まるで何かの物語のようだ。
自分の人生の主役は自分だ、けれども視点を変えてみたらどうか。
もっと大きな――第三の視点で見れば、公子は物語で言うところの主人公そのものだ。
そんな人間だから、俺が彼女に感じる既知は安らぎに満ちているのか。
推測は幾らでも立てられるが、決定打となるような答えは出ない。
堂々巡りの行き止まり、少なくとも今の時点では何も分からない。
「な、何かその言い方くすぐったいよ。と言うか、裏瀬くんのも人と違うじゃない」
「俺が?」
思い当たることのない指摘、目で続きを促す。
「昨日チラっと見ただけなんだけど……うん、何か変」
「変って……酷いな」
「いや、変な意味じゃなくてだよ?ゆかりとか順平のペルソナはね、見てて「ああ、もう一人の自分なんだな」
って何となくだけど感じるの。けど、裏瀬くんのは何か違うような気がする」
それは俺と彼女の感性の違い――ではないのかもしれない。
自分では気付けないだけで、他人から見ればと言うこともある。
「具体的には?」
「え? いやぁ……アハハ、何となくだから理由なんかないよ」
誤魔化すように空笑いをする公子だが、何となく……か。
俺自身そう言う何となくで行動することが多いから、何となくが馬鹿に出来ないものであると知っている。
まんま鵜呑みにするのならば、特異なのは俺と彼女。
では、そこに共通点や意味があるのか。
一つの材料として頭の隅に置いておくのも悪くないだろう。
「あ、そろそろ良い時間だね」
「ん?」
声に釣られて時計を見れば二十三時二十分、まだ零時まで時間はあるが……
「現地集合だから、私達もそろそろ行こう」
「タルタロスってところにか?」
「良いから良いから! ほら、着いて来て」
言わ
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