第13話 現われたのは炎の邪鳥ですよ?
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空気が灼け、美月の耳元に有り得ない涼やかな音色が聞こえて来る。
「甘水の、美水と大御田に受け給えと――――」
轟と吹き荒れる熱風の中、引き詰められた弓と弦の間に美月を指し示す霊気が輝き。
上空から。いや、前後左右から押し寄せる熱風も、炎の壁も今の美月に取っては別世界の物。
そして、我知らず紡がれる聖句。
「九鴉九殺」
矢を放つ最後の瞬間。何故か、後悔に似た感情が湧き上がって来る美月。何故だか判らない。ただ、この矢を放つ事は、自らに取っては不幸に成る始まりだと言う事を感じたのだ。
しかし、それも一瞬の感傷に過ぎない。この矢を放つ事が自分に取っての不幸に繋がろうとも、ここに居る皆の未来と交換ならば後悔はない。
放たれた瞬間、解き放たれた霊気が金色の光輝に変わり妙なる天上の楽が奏でられる。
その一筋の金色の光輝が立ち塞がる炎の壁を貫き、次の瞬間、ひとつの矢が数千、いや、数万本に別れ――――
蒼穹を覆う赤い天井を地上から放たれた金の矢が貫いた!
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