第四話
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分かれて行動を始めた。
「館内で侵入者を発見、攻撃班は直ちに館内へ!防御班はそのまま警備を続行せよ!」
「了解!!」
地霊殿では、兵士たちが侵入者たちの対応に追われていた。
もとより人数が多いためか、見張りの兵士の半数を中にいれても、外の兵士の数はまったく劣っていなかった。近距離武装から遠距離武装まで、どの距離でも対応できるようになっている。
戦力では圧倒的に見える人数差。だが、彼女たちにはまったくといって支障はなかった。
「内部の侵入者は五人……まだ外部にいる可能性もある。とくにメディスン・メランコリーは、地上において閻魔の四季映姫らに奪還された妖怪だ。彼女たちも必ず来ているはず……警戒を厳にして行動するように」
「りょうか……」
「うわあああ!?」
「!? 言ってるそばから!」
悲鳴の上がったほうを見ると、そこには無数の青白い火がぼんやりと燃え上がっていた。
それも一瞬現れてはすぐに消え去る。さらには、現れた火はすべて兵士の頭上から落ちてきていた。
「あれは……鬼火か」
「鬼火ですか?」
「捕獲できていない妖怪の能力に『鬼火を落とす程度の能力』を持ったものがいる。そいつの仕業だろうな」
「なるほど……」
「いちいちうるせぇんだよ!!」
「今度はなんだ!?」
鬼火が振っていない反対方向では、なぜか兵士がケンカをはじめていた。それも一人じゃない。何百人もの兵士がいっせいに始めたのだ。
耳を澄ましてみると、どれもくだらない内容ばかり。訓練された兵士なら戦闘中ケンカを始めるなんてありえないことだ。
「今度は嫉妬か……」
「あれも妖怪の仕業ですか?」
「ああ。見張り兵士の注意をそらすためだな」
「中にはいるためですかね……」
「いや……殲滅だろうな。彼女を呼んでこい」
「了解しました」
兵士は敬礼した後、駆け足で中に入っていった。
「しかし……これじゃ、負け戦だな」
そう言って男は溜息をつくと、鬼火が発生しているところに向かっていった。
そのころ、キスメとパルスィは地霊殿を見渡せる位置で能力を操っていた。
「本当に……これで……あぶりだせるん……ですか?」
「おそらくね。私が見てる東側にあの兵士……いや、あの人が現れるはず」
「あの人……ですか?兵士じゃ……」
「敵だから一応兵士だと思ってたけど……それじゃあどうも不自然なのよね」
「不自然……ですか?」
「ええ。あの服装が」
「服装?」
「まあ出てきたらわかることよ。にしてもほんとに多いのねあいつら」
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