龍殺しの実を求めて
明星の英雄
グノーム火山組道中
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悪戯に微笑んだノアが軽い冗談を言った。
「悪かったな海綿質の皮で!」
カーネロスはふてくされ、武器の手入れを始めた。
「ノアさん、それは言いすぎじゃないですか…?」
ダイラスは視線をカーネロスに向けた。
「ふん!」
カーネロスはまだふてくされていた。
しかし、本人としてはキラビートルの甲殻を粉末にした手入れ粉をまぶしたかったのだろうが、
今カーネロスが武器にまぶしているのは生命の粉塵である。
「あっ、間違えた…。」
慌ててキラビートルの粉末を取り出す。
「彼、気にしていること言われるとすぐにふてくされるけど途端にドジっ子になっちゃうのよ。
まぁ、気にしないであげて。三十分も経てば元に戻るわ。」
「そうなんですか…。ていうか、幼馴染なんですか?カーネロスさんとノアさん。」
ダイラスはノアへ視線を戻した。
「ええ。家が近くで、お父さんが知り合いなもんだから。」
聞けば、ノアの父はハンター稼業をしておりカーネロスの父親とは無二の狩友らしい。
「そうなんですか…。おわぁ!」
荷車がカーブに差し掛かった遠心力で、ダイラスはいきなり尻餅をついてしまった。
「イテテ…。なんだ?何があったんだ?」
「どうやら今ようやくギルド大環状線に乗ったようだな。」
エイジは尻餅をついたダイラスに手を貸した。
「なぁるほど。」
ダイラスはエイジの手を取り起き上がった。
「まぁ、ギルド大環状線に乗るのは少しだけでその後すぐに近くの村へ宿泊しに行くんだけどね。」
「なんだそれぇ。」
「今日は移動だけだ。それに、リオレイアも一応討伐だけはしてるんだからしっかり疲れを取らないと、本番になって動けないぞ?」
「まぁ…、そうだよな。」
ダイラスがその場に座り込んだとき、
「ちょっといいか?」
カーネロスが振り返りながら
「近くの村って…、あれのことか?」
村らしき集落を指差した。
「なんだ…、あれ。」
そこに広がっていたのは無残に散り散りになった家、家、家、燃え盛る火災旋風、逃げ惑う人々。
そしてその上空に居たのは
「おい、あれテオ・テスカトルじゃねえか?」
「ホントだ!」
焔を司るとされている、炎王龍テオ・テスカトル。
「オイオイ、このマゼラティア地方はタレミシア大陸の東のほうだぞ?こんなとこにテオテスカトルがいるわけねえじゃねえか!」
「いや、そんなこともありえるかも知れんぞ?今の災厄の渦中ならな。」
焦るカーネロスにエイジは落ち着きつつ自身の推測を述べた。
「とにかく、あの村をなんとかできないか?」
ダイラスも焦っていた。
「できなくはないが…、ん
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