暁 〜小説投稿サイト〜
弱者の足掻き
七話 「日々の鍛練」
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錬を続けた。今している組手もその類だ。
 体をほぐした後に基礎づくりの運動や型の練習などを重点的にし、その後無差別な組手を少し。
 そうして今、俺は白を叩きのめしている。



 顔を狙い白の右上段が迫る。綺麗なものだが、慣れていないのか予備動作が大きすぎる。
 それを左腕で受け、懐に向け正拳を放つ。

「???ッ」

 白はそれを腕で受けるが、受け切れずよろめいて下がる。
 近づいて胴を狙い、左で追撃の二撃目を出そうとする俺に対し、その腕をかいくぐりこちらの腹部に向け斜めから白の拳が放たれる。
 が、入り込んできたその拳を、放とうとする白の体ごと力任せに俺の右足が弾く。

「???くっ」
(やっぱ、こうなるよな)

 押しのけられた白を見ながら、心の中で小さく呟いてしまう。
 いくら白に才能があり、俺の才がそれに遠く及ばなくとも圧倒してしまう。
 力任せに、潰せてしまうのだ。
 白に幾ら才が有ろうと、それを成す基盤が無ければ意味が無い。後半年もしたら別だろうが、少なくとも現状ではまだチャクラコントロールはこちらの方に一日の長があるし、チャクラの量も白と圧倒的な差がついているわけではない。
 まだ使えないのなら、身体的能力と技術の差が優劣を分ける。
 
 ある程度歳が大きければ別だが、小さい子供にとって歳は一つでも違えば筋力に差が出る。それがいくつか離れている上に、俺は男で白は女だ。性別による差も出てきてしまう。
 体の運動に関しても、僅かとはいえ俺は親から教えられていた。白の成長速度が非常に早く、かなり縮んだとはいえ、その年月のアドバンテージもまだ残っている。
 だから、技術に訴えずとも、白の技を力で潰せてしまう。悲しいことだ。
 
(だからと言って手は抜かないが)

 姿勢を低くし足元を刈りに来た白の足に対し、体の向きを変え力技で堪える。
 こちらが堪えたのを見、無理だと悟ったのか白はそのまま地に手を付け、下から打ち抜くような蹴りを放つ。
 それを交差した手で受けて堪え、そのまま足を掴む。
手に突き刺さる様な鈍い痛みが走る。が、堪え、もがく足を力技で離さないまま白のバランスを崩し、上から抑え込む。

「足掻け足掻け。抜けて見せろ」

 下の白がもがく。
 足を関節に絡ませたり手を首元に伸ばそうとしてくるが、抑える力を強める。

「うう……ぐっ! ??ッあ」

 白が小さく呻く。
 強く抑え込まれ、白は藻掻け無くなる。
 それを確認し、解く。そして卑下する言葉を吐く。

「駄目だな。この程度で駄目か。使えない。確かに成長は早い。だが、俺の為にもっと使える様になれ、白。俺の物なんだろう」
「はい……イツキさん。分かっています」

 キツイ言葉に対し、白は立ち上が
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