クトゥグアとの戦い T
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ある。この世の全ては我に由来し、我が支配出来ない者など存在しない。我は至高の存在也!」
聖句を唱える。
「止めてみせる。【聖魔王】の名にかけて!!!」
ズオッ・・・!という風切り音と同時に、彼女の足元から白銀に輝く金属の壁がせり上がる。それは留まることを知らず、その体積も上限知らずであった。
「要するに、下にまで流れて行かなければいいんでしょう!?」
遠くから見れば、それは異様な光景だっただろう。事実、救助活動を行っていた魔術師たちは、作業も忘れて口をポカンと開けながら空を見ていた。
「・・・アレが、【聖魔王】様の力か・・・!!!」
エトナ火山に、蓋が掛かる。
エトナ火山の山麓部の直径は、凡そ140kmにも及ぶ。まず、その山麓部から一斉に壁が出現し、どんどんと山頂部までを覆っていった。数十秒後、エトナ火山ほぼ全ての姿を、お椀型の金属の壁が隠しきっていた。吹き上がる熱も、煙も、溶岩や火山岩も、その全てを受け止め、外に出さない為の覆いが成されたのだ。更に、山脈の中腹に存在する村などにも、被害が及ばないように同じような覆いが掛けられた。
勿論鈴蘭は、その中に閉じ込められるという愚行は侵さない。彼女はさっさと転移の術で逃げ、隔離世の中の状態を認識出来るみーこと一緒に、護堂の戦いを見守っていた。
「・・・頑張れ、護堂君。」
その言葉が、宙に溶けた。
???
一方、クトゥグアと共に隔離世へと送られた護堂は。
『ほらほらどうした!?防ぐだけでは何もできんぞ!?』
防戦一方であった。
「く、そ!近づけねぇ・・・!!!」
クトゥルフ神話のクトゥグアには、複数の配下が存在する。
彼女が先日呼び出した、まつろわぬアフーム=ザーもその一柱であるし、その他にも、フサッグァや炎の精といった存在がそうである。
現在護堂は、彼女に召喚されたフサッグァと、それに率いられる炎の精の集団攻撃に晒されていた。
これらは、正確にはまつろわぬ神ではない。神獣と呼ばれる存在である。
『無数の炎を従える生ける炎の姿』。クトゥグアの真の姿が顕になった状態だといえる。
「ぅ、おおおおおおおおおおおおお!!!」
護堂の周囲には、直径10mほどの巨大な火の玉が一つと、1m程の小さな火の玉が数百浮いていた。
炎の精と、それらの司令塔であるフサッグァである。
炎の精は、まるでガンダムの代表的な兵器である、ファンネルのように縦横無尽に飛び回り、強力な熱線を護堂に浴びせかける。その高速移動について行けず、彼はただただ耐
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