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カンピオーネ!5人”の”神殺し
クトゥグアとの戦い T
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のだ。そんなことをすれば、クトゥグアにカウンターを合わせられ、一瞬にして彼が敗北していたかもしれない。戦闘時に我を忘れるというのは、それ程の危険性を含むのだから。
 そして、本能的にそれを理解した護堂は、自身を止めてみせた。沸騰しそうな頭を、無理矢理クールにしてみせた。これは、熟練の戦闘者でも中々出来ない芸当であった。

 それに驚きながらも、それで思考を停止するような愚かな真似を鈴蘭はしない。頭の中では、この攻撃をどうやって防ぐかを考え続けていた。

(私なら、この程度の攻撃なら防ぐことができる・・・けど、そうしたら、クトゥグアの追加攻撃に対応出来ない。どうする・・・?)

 鈴蘭の思考をかき消したのは、護堂の叫び声だった。

「鈴蘭さん!俺とクトゥグアを隔離世に送ってくれ!アイツは俺が倒す!鈴蘭さんは、ここで溶岩をどうにかしてくれればいい!!!」

 つまり、元々の作戦に変更はなし、と彼は言っていた。鈴蘭とクトゥグアがいつまでも同じ場所にいることは出来ない。どうせ彼女は現世に留まらなくてはいけないのだから、溶岩流をどうにか止めろ、というのが彼のオーダーであった。

(・・・どうする?)

 一瞬の思考。この作戦をこのまま実行したときのメリットとデメリットを瞬時に考え、彼女は決断した。

(・・・うん!護堂君がクトゥグアを倒せば、何の問題もなしだね!)

 護堂を信じると。この場からクトゥグアが居なくなれば、彼女は溶岩を止めることだけに集中出来る。それなら、自身の能力を十全に発揮することが可能である。何しろ、既に噴火は始まろうとしているのだ。クトゥグアは噴火の切っ掛けを作っただけである。それ故に、二人で協力してクトゥグアを倒せたとしても、この噴火を止める手立てはない。この付近の住民を守る為には、これしか方法が無いことを彼女は分かっていた。

「・・・頑張って護堂君!・・・いいや、【混沌の王】草薙護堂!!!」

「・・・・・・おう!任せてくれ!!!」

 パチン、と彼女が指を鳴らすと、護堂とクトゥグアは隔離世へと取り込まれた。

「・・・さて、これで後は、この溶岩を止めるだけ・・・。」

 彼女の呟きと同時に、ゴッ・・・!!!という激しい音と共に、過去最大級の噴火が始まった。天高く吹き上げられるマグマと煙、そして火山岩。
 今にも彼女を飲み込まんと迫るそれらに対して、彼女は些かの恐怖すらも感じていない。

「今更、こんな物でビビるわけがないじゃん。」

 地を埋め尽くす程の魔獣の群れを見たことがある。それを消滅させる程の攻撃を見たことがある。新しく世界を創造しようとする神と戦ったことがある。
 それらの、最大級の驚異に比べれば、今更噴火程度が何だというのか?

「我は万物の父であり母で
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