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少女1人>リリカルマジカル
第四十一話 少年期【24】
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アに認定されたって不思議じゃない。管理局はわからないが、教会は欲しがるかもしれない。

 俺が隠し持つとか、手渡して教会とパイプを作るとか、このまま俺とコーラルだけ転移して放置しておくとかもできる。ここは隠し部屋で密室なのだから、俺がこいつのことを告げない限りいくらでも隠蔽できるだろう。

 だけど、俺としてはこいつの意思もしっかり聞いておきたい。さっき俺が考えたやり方は、道具を扱う考え方だ。コーラルや夜天の書のみんなを道具扱いすることと同じ。目覚めさせてしまった責任はちゃんと取るべきだ。

『ふむ。知りたい、だろうか』
「へ?」
『たとえ何百何千年と経とうと、己の本質は変わらん。マスターがおらぬ世を寂しくも思うが、同時に未知なる智に溢れた世を知りたい欲求もある。それに、ここにはあらゆる智が眠っておるのだろう? 己のマスターがどうなったのかを知りたくもある』
『ヴェルターブーフさん』

 機械的な音声だから、抑揚が少ない声だと思う。だけど、こいつ本当にそのマスターのことが大好きなんだなってわかるぐらい、最後の言葉には強い意志が見えた。

 これがこいつの願いだとしたらどうしたら叶うのだろう。俺は別に叶えてやってもいいと思う。でも管理局や教会に知らせたら、今後どうなるのかはわからない。願いを聞いてくれるのかもしれない。封印するのかもしれない。手を加えるのかもしれない。俺には思いつかないけど、もっとすごい使い道があってもおかしくない。

 古代ベルカ時代の辞書。正直に言えば、俺にとっても重要な手掛かりだ。


「……そのさ、手を組むのってあり?」
『ふむ、どういう意味だ?』
「そのままの意味かな、ヴェルターブーフ。……ところで長いから、ヴェルとかブーフって呼びたいんだけどいいか? 舌噛みそう」
『ふむ、舌を噛むのはまずい。己のマスターはヴェルターと呼んでいたが』
「なんかかっこいい名前になったな。だが、先人と同じでは俺の名づけ魂が廃る。ここはあえてブーフを選択しようかと思うんだが」
『ほう、あえてそこを選ぶか』

 あ、OKもらえたみたい。

『ならば己も同じように、ヴィンヴィンと呼ぼう』
『ブホォッ!』
「ヴィンヴィ……ちょっ、なんでそこ繋げた!? どこが同じ!?」
『ふむ? 己のマスターは、ヴィンヴィンの言葉でいうところの+αをつけたら仲良くなれると言っていたが』
「お前のマスター本当に何者だ!? あとコーラルは笑い過ぎだ!」

 真剣な話をしようとしているのに、全然締まらない。こいつこんな言葉遣いの癖に反応が上級者すぎる。おかげで無駄に入っていた肩の力が抜けたけど。

「まぁ要約すると、俺とコーラルは無限書庫で調べ物をしている。それには古代ベルカ時代のことまで遡りたいけど、文字がわからな
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