第四十一話 少年期【24】
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は手が出せないかもしれない。闇の書が現れるのが先か、古代ベルカの歴史が明かされるのが先か。Stsでは、近代ベルカ式の魔導師とか古代ベルカ式の魔導師みたいな括りまであったんだ。なら、どこかの歴史できっと発見されたはずなのだ。古代ベルカの時代を紐解いた何かがStsまでに。
……Stsまでに?
「まさか、逆なのか」
『どうかされました?』
「なぁ、コーラル。クイントやメガーヌ達の使っている魔法ってベルカ式だよな」
『えぇ、そうですよ』
「そのベルカ式って他に呼び方はあったか? 近代ベルカ式とかって」
『……そのような呼ばれ方は初めて聞きましたね。教会では『騎士』という呼び方があるのは、聞いたことがありますけど』
古代ベルカのことが認知されるようになったきっかけ。もしそれが俺の想像通りなら、古代ベルカ語を俺が知る土台がなくなった可能性がある。思い出したのだ。『近代ベルカ式』という言葉が出てきたのは、A'sよりも後だ。なぜなら闇の書事件の間は、シグナムさん達の魔法を見て『古代ベルカ式』と言った人はいなかったと思う。ただの『ベルカの騎士』か、『ベルカ式の魔導師』という言葉で表現されていたはずだ。
つまりA'sからStsの間に起こったのだ。歴史的な変化が。『夜天の書』という古代ベルカ時代の遺産のおかげで、次元世界は古代ベルカの歴史に光が入ったんだ。
ヴォルケンリッターたちは歴史の生き証人そのものだ。当然古代ベルカの魔法や言語を世界に提供しただろう。はやてさんが教会との繋がりが強かったのも、古代ベルカ式の魔導師だったからだ。歴史家にとってはやてさんと騎士たちは、恐竜の化石が発見されることと同意義なほどの歴史的な発見だったんだ。
「……うわぁ、まじか。色々ぶっ壊したのは確かに俺だよ。だから俺なりになんとかしようと色々頑張っているのにさ…」
『えーと、ますたー?』
なんだか気分が落ち込んできた。とりあえず、頭の中でいっぱい考えていたがまとめよう。
要は守護騎士たちがいなければ、古代ベルカの歴史の解明は現時点では難しい。それはつまり、今の時代で俺が古代ベルカ語を身に付けるには、とんでもなく苦労する必要があるか、下手したら不可能な可能性がある、という訳だ。闇の書への重要な手掛かりになりそうなものが、1つ遠のいた。
そんな風に至った結論として、思ったことが1つ。俺、もしかして原作に嫌われているんだろうか。少なくとも完全に振り回されている。原作知識で俺個人が喜べたのって、未だに「テスタロッサ家にもふもふ(リニス)が来るぜ、ひゃっほい!」ぐらいしかないんだけど。
そりゃ原作知識がなければ大変なことになっていたさ。それでも、誰かの命がかかっているような重たいものしかないし。原作関係=危機的なことしか
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