第四十一話 少年期【24】
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多くはないが、確かに』
この場所の年代は、約1500年前〜2000年前ぐらいと推定できた。つまりブーフのベースになったということは、夜天の魔導書は確実に1500年以上は前の遺物であることがわかったのだ。しかも、もしかしたらその時代ではまだ改変前、または改変がまだ少ない状態に近い可能性がある。
『夜天の魔導書。主と共に旅せし、資料本であったと己の記録では残っている。だが、この記録は己とマスターがいた時代の情報よりさらに古いものであろう』
「そうか。他には?」
『ふむ、あとは単語ぐらいしかわからん。マスタープログラム。ヴォルケンリッター。ナハトヴァール』
「は?」
俺は知らない単語に首を傾げた。マスタープログラムは管制人格のことだろう。守護騎士たちのこともわかる。だけど、ナハなんとかってなんだ。そんなの原作には出てこなかった。名前すら聞いたことがない。
今まで調べ物をしていて、ナハなんとかは確かに何度か名前を見たと思う。でもリインさんや守護騎士たちと並ぶほど古く重要なものだとは思っていなかった。ずっと闇の書に載っている魔法の名前か何かかと。……もう1度調べ直す必要があるか。
そうだ、原作が全てじゃない。今回は無事だったけど、無限書庫だって危険があるかもしれないと身をもって体験した。この世界はちゃんと存在して、描写されていなかっただけで積み重ねられてきた過去があって、そして未来に続くんだ。しっかりしろよ、自分。
「ありがと、ブーフ。1歩前進できた気がする」
『ふむ、そうか』
『さて、それでは帰りましょうか。ブーフさん、テスタロッサ家は騒がしいですよ。特に茶色の閃光には気を付けてくださいね』
『そうか、この時代の先輩が言うのなら気を付けよう』
『せ、先輩…。僕が先輩……』
「おーい、コーラル。戻ってこーい」
お前そんなにもヒエラルキーを気にしていたのか。でも、たぶん家での順位は変わらねぇぞ。こいつは友人枠だから、お客様だし。夢を見ているみたいだから、まだ壊さないでおいてやるけど。
色々ありすぎた無限書庫冒険記。問題なんてどんどん出てくるけど、1つ1つ解決していく姿勢に変わりはない。落ち込みながら、騒ぎながら、頭を抱えながら、俺たちはこれからもこの場所に訪れるのだろう。
さぁ、頑張っていこう。俺は笑みを浮かべながら、話に花を咲かせた。
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