第四十一話 少年期【24】
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れた本の隙間を見ると、やはり小さな紙が挟まっていた。俺はそれをブーフに許可をもらって引き抜く。まぁ書かれている文字は俺には読めないので、早速辞書の出番である。だけど、この字はブーフのマスターの故郷の字らしい。おかげですぐに解読してくれた。
『申し訳ないんやけど、ヴェルターのことお願いしてもらってえぇか。ちょお大事な用事ができてもうてんよ。終わったら帰ってくんから、よろしくなー』
「なんで関西弁なんだッー!?」
『ちょっ、ますたー! ブーフさんのマスターの重要な手掛かりかもしれないのですよ! ブン投げようとしないで!?』
『マスター、なんという無茶を。御一人で元の場所に戻るなんて、高度なことをなさろうと考えていたとは…』
ブーフ自身、なぜこんな場所に自分がいたのかはわからなかったらしい。なので何かの手掛かりになるかと思っていたが、友人あての手紙なだけだった。しかも超軽い。お前のマスター人見知りじゃねぇの? それともただの関西弁効果なだけ? 地球以外にも、まさかこの方言を使う人物がいたことに驚きだよ。
「と、とりあえずブーフのマスターはお前を預けていっただけみたいだな」
『そのようですね。しかし預けていただけならば、何故ずっとこの場所に。まさかマスターさんの身に何か…』
……迷子になってたどり着けなかった、が一番ありえそうだけど。
ますたー。それ本当にありえそうですけど、僕はシリアスな感じにしようとしていたでしょ。迷子でお別れしたなんて理由、僕なら泣きますよ。
聞こえている。……己はそのあたりについて、もう諦めているから気遣いは無用だ。
ごめん、お前本当に苦労していたんだな。本なのに哀愁を感じてしまった。
「とりあえずもう帰るか。なんか色々ドッと疲れた」
随分長話をしてしまった。一応リンカーコアの調子もよくなってきたし、そろそろ動ける。紆余曲折あったが、新しい仲間もできた。次も頑張っていこう、という思いが溢れてくる。知らず口元に笑みが浮かんでいた。
そういえば、ブーフは闇の書のことを知っているんだろうか。1000年以上前の魔導書であることは間違いないんだし。
『闇の書?』
「あぁ、知らないか。お前と違って魔法を蒐集する魔導書なんだけど」
『ランダムで主を決める融合型のデバイスです。昔は旅をするだけの機能だったようですが…』
『己と似た機能、旅する本。……まさか、夜天の魔導書のことか?』
俺たちは勢いよく振り返ってしまった。夜天の魔導書。そうか、古代ベルカの時代だったならまだそう呼ばれていたとしてもおかしくない。
『己のベースとなった、蒐集技術の元だと聞いていたが』
「聞いたって、お前のマスターにか?」
『ふむ。夜天の書について己が記録している内容はそう
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