第四十一話 少年期【24】
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けど…」
『それは、小学校ではさすがに。古代語は専門的すぎるでしょうから当然ですよ。誰かに習うつもりなら、それこそ高等部まで進学して専門学科に進んで調べるか、古代ベルカ関係の考古学者の方に弟子入りするかしないと難しいですよ』
「えっ、そこまでしないとダメなのか!?」
コーラルからの説明に俺は驚き、そして自分の考えの甘さを痛感した。俺はベルカ語みたいにどこかで教えてもらえるか、最低でも教科書になりそうな資料を見つけて勉強しようかなと考えていた。だけどより詳しく古代ベルカ語のことを聞いてみると、資料そのものを手に入れることさえ難しいのだと教えられた。
今に伝わるベルカ語が正式に使われ出したのは、約500年前ぐらいから。聖王オリヴィエによって世界が統一されたことで、言語もまた新たに統一されたらしい。今残っている歴史書のほとんどは、その当時の歴史家がベルカ語に翻訳をして残しておいたものだ。純粋な古代ベルカ語の資料は、それこそ長きに亘る戦乱で大体が燃えて灰になってしまった。
『そのため、古代ベルカ語を正しく理解している人が極端に少ないのが現状です。一部の考古学者や教会の方ぐらいじゃないですかね。だから一般人が簡単に習えるものではないのですよ。資料だって聖王教会の奥に安置されていますから、ほいほい見せられるものでもありません』
「嘘だろ、まじかよ」
俺は説明を聞いて、目が回るような気持ちだった。正直に言って、古代ベルカってこんなにも遠いものだったか? という思いだ。うろ覚えだけど、Stsではそれなりに認知されていたように感じていた。確か原作で古代ベルカ語がわかるって人もいたように思う。だからちょっと大変だろうけど、俺も古代ベルカ語を知ることができるだろうと思っていたのだ。
だけど、その考えが根底から崩れた。考古学者や教会とコンタクトを取れるパイプなんて俺にはない。管理局にだって、これ以上の支援を申し込むことはできない。これほど制限を受けずに、無限書庫の中を出入りさせてもらっているんだ。むしろ十分すぎるほどだ。
「……そうか、時代が違うんだ。Stsって確実に30年以上後のことじゃないか」
今の時代が原作よりもずっと昔なのを、ものすごく実感した。リリなのの代名詞である『魔法』だって、今の時代は発展途上の段階なのだ。オーバーテクノロジーの塊のような世界なのだから、数十年あれば相当発展しているだろう。
原作ではハードモードだったものが、今の時代だとルナティック扱いになっていてもおかしくない。古代ベルカの情報もその1つだろう。どうしよう、俺には一体いつ頃原作の様な歴史に変わるのかわからないのに…。
下手するとこれは、古代ベルカについて調べられないかもしれないのか。原作ぐらいの認知度が世界になければ、俺に
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