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占術師速水丈太郎  横須賀の海にて
第六章
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うちにベースにやって来た。門で守衛に身分を示して中に入る。少し金を両替した後で言われた建物に入った。
 中には少しサイケデリックな模様で世界地図が描かれていた。それはとても自衛隊にあるものではなかった。それだけでここがアメリカ軍のものであるとわかった。少なくとも自衛隊の雰囲気とはまるで違っていた。
「ハロー」
 擦れ違った金髪の若い男が声をかけてくる。
「見掛けない顔だね。ジャパンの人かい?」
「はい」
 その若い男が日本語を話したのを受けて彼も日本語で挨拶を返した。
「ここの食事が美味しいと聞いたので。それで来ました」
「日本人でそんなことを言うのは珍しいな」
「そうですかね」
「案外日本人ってやつは繊細でね。うちの食事は舌に合わないって言うんだ」
「そうなのですか」
「まあそれは置いておいてだな。楽しんでくれよ」
「はい」
「少なくとも値段は安いから。ビールでもワインでも好きなのを飲んでくれ」
「わかりました。それでは」
「おう、またな」
 気さくな挨拶であった。悪い印象は受けない。アメリカ軍は荒っぽい者が多いとは聞いていたが少なくとも彼からはそうした印象は受けなかった。やはり人によって違うということだろう。
 レストランに入った。白を基調とした清潔な店内であった。前には話通りバイキングが置かれていた。
 それを注文する。同時にワインも。そして気に入ったものを取る為に席を立った。
 料理はかなり豊富であった。サラダもスープもかなり揃っている。ハムやハンバーグもあった。彼はその中からレタスとトマト、オニオン、コンソメスープ、そしてソーセージとハンバーグをとって食事をはじめた。丁度テーブルに戻った頃にワインが運ばれてきた。注文した通りの赤であった。
 料理の味はかなりよかった。アメリカの料理は大味だという噂だったが少なくともこのベースのレストランのそれは違っていた。味付けは意外と細かく、そしてよかった。
「ふん」
 思ったより美味しくて気分がよくなった。ワインもよかった。あまりよかったのでさらに食べ、そしてワインももう一本注文した。こうした時酒に強い自分の体質に感謝すること限りなかった。
 程なく食事を終えベースを後にする。流石にワインを二本も飲んだのは効いた。ベースを出たところで足が少しふらついてしまった。
「おっと」
 慌てて態勢を立て直す。その時に顔の左半分を覆っている髪を抑えた。
「危ない危ない」
 顔の左半分が出なかったことに安心しつつ姿勢をとりなおす。そして横須賀の大道に戻りそこで本屋やカラオケ屋に入り英気を養うのであった。カラオケから出た時にはもう真夜中であった。
「早いですね、時間が経つのは」
 気付いたら夜になっていたことに思わず苦笑いを浮かべてしまった。
「さっきまで太陽が世界
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