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ん、あれ?
 そう言えば裏背くんって召喚器使ってなかったような……

「忘れてたってアンタねえ……まあいいや、先輩達なら一階のラウンジに居ると思うし、一緒に行く?」
「うん!」

 ゆかりと二人で一階へ行くと読書に勤しむ桐条先輩が居た。

「あれ、ハムっちどったの? 部屋に戻ったんじゃなかったっけ?」

 順平や真田先輩も居るし……期せずして全員集合?
 ああでも、理事長が居ないや。

「うん、ちょっと桐条先輩に話があってね」
「私にか?」
「はい。さっきメールが来て、裏瀬くんと連絡がついたんです」
「本当か?」
「はい! 今日から時間作れるそうです。で、今何処に居るのか聞いてみたらクラブエスカペイドだそうです」

 交番の近くにあった店だったかな? まあ、行ったことないんだけど。

「そうか。わざわざすまないな」
「いえ。私、ちょっと会いに行こうと思うんですけど……ついでに伝えときましょうか?」

 S.E.E.Sへの勧誘、私も一緒に戦えるなら嬉しいし。

「あのぉ……マジで勧誘するんすか?」
「ん、どうした伊織?」
「いや、こう言うのもアレだけど裏瀬って結構……なあ、ゆかりッチ」
「ちょ、私に振らないでよ」

 一月も学校に行ってれば噂なんかも耳にするようになる。
 本人も言ってたけど裏瀬くんは不良で、よくない噂もチラホラ聞いた。
 順平が言いたいのはそう言うことだろう。
 実際にそれは本当のことかもしれない。
 だけど、何か理由があってのことだと思うのだ。

「大体私も面識とかあるわけじゃないし。そう言うアンタもないんでしょ?」
「いやまあそうだけど……」
「じゃあ会ったことない人間のことなんてどうこう言えないじゃないの」
「ふむ、よく分からないが――有里、私も同行しよう」

 それが礼儀と言うものだと桐条先輩は言う。
 何とも大人びた人だと思う。
 スタイルも良いしカッコいいし……はぁ、ちょっと泣きそうだ。

「だったら俺も付き合おう。女の夜歩きは危ないからな」

 さらりとそんな台詞吐けるのに、女の子の扱いは下手なんだよね真田先輩。
 ファンクラブの子達とどう接すれば良いか分からないみたいだし。

「…………」
「な、何だよゆかりッチ?」
「べっつにー。ただ、モテる男とモテない男の差ってこれなんだなって思っただけ」
「酷くない!?」
「岳羽、伊織、留守を頼むぞ」

 二人の漫才をスルーし桐条先輩が外へ出る。
 私と真田先輩もその背を追って寮の外へ。

「有里、私の方でも色々調べてみたが――君の目から見て裏瀬と言う男はどう映る?」
「色々よくない噂があるし、現に不良だけど……悪い人じゃないと胸を張って言えます」

 根拠も何も
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