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弱者の足掻き
六話 「波の国」
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聞いてたんだけどね……」

 中央の路を歩きながら思う。
 一本の道の左右に店が並び、一軒長屋のように見える。
 大通りのほか、来た道を思えば横道や細い道なんかもあった。
 持っていた知識が偏っていたのか、板の路などではなく普通に地面の上に町の中心はあるし、今歩いている道も土だ。
 水辺にあるのは一部の個人宅とかその辺なのだろう。多分。
 そういえば、ナルト達が修行してた辺りはもろに地面だったなそういえば。
 それに……

「へいそこのお父さん! これなんかどうです、うちの自慢の???」
「奥さん、今日の夕飯は何だい! 今日はサバが安いよ!! 三尾買うなら???」
≪夜九時より三番裏、赤のネオンが目印“乱れウマ”!! 綺麗所が???≫
(閑散としてるかと思ったが、普通の街並みだな。店にも品が普通にある)

廃れていない。
水の国での流通所に比べれば小さいが、店が普通に有り、品物も置かれ店員らしき人物が声を出している。
 色々妖しい看板もある。
 人が軒下に入り、どれを買おうかと悩む姿は普通の街並みにしか見えない。
 
「お、そこの兄妹! 饅頭食わないか、美味いぞ!! ほら嬢ちゃん、どうだ?」
「あ、僕は結構で??」
「済みません、二つ……いえ三つ下さい」

 遠慮する白の言葉を遮り、声を掛けてきたおっちゃんに近づき財布を開ける。

「お、兄ちゃんの奢りか。よっしゃ、いくらか負けといてやらぁ!」
「ありがとうございます」

 幾らかの紙幣を渡し、代わりに≪白露屋≫と書かれた袋を渡される。
 見た目が子供故か、そのままでなく持ち運べるように袋をくれる所に気づかいを感じる。
 袋を開け、二つ取り出し一つを白に渡す。

「あっ……ありがとうございます」

 言葉を遮った時から少し申し訳なさそうな顔をしていた白の顔がほころぶ。
 大方、俺が買ったのにその前にいらないと言いそうになったことを気にでもしていたのだろう。
 嬉しそうな顔をした白は、笑顔で手に持った白い塊を小さく頬張る。
 それに続き、こちらも自分の分に口をつける。

「美味しいです」
「家のがマズイわけねぇって! 冷める前に食っちまった方が良いぞ」
「分かりました。……それにしても、結構人がいますね」
「何だって?」
「いえ……ここの国はそんなに賑やかじゃない、みたいな話を聞いていたので」
「あー……もしかしてあれか、他の所から来たのかい」

 それに小さく頷き、今日着いたばかりです、と続ける。

「まあ、それなら仕方ないのかねぇ。確かに他の国に比べりゃ小さいし、金もねぇしな。火の国が近くにあるのもあれだよなぁ……。どこからだい?」
「水の国です」
「あー、あそこか。良く知らないけどそりゃ、また遠いとこから
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