六話 「波の国」
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親直伝の巻物は色々書いてあったし例外もあるが、水の国な関係上基本は水遁が多い。
術者のレベルが高いなら水が無くとも高レベルでできるが、才能が微妙な身としては近くに水があった方が練習になる。
(そう考えれば、波の国っていいな。隠れ里無いから忍者居ないし、少し気を付ければ普通に鍛錬できる)
これが他の国だったらどこにいるか分からない忍者共から身を隠してやらねばならんかった。
子供の身でそんなこと出来るわけないし。その状態までレベル上げられるのって結構条件厳しいぞオイ。
この国である程度まで技術上げられれば、その後隠れて鍛錬するのも楽になる。
そんな事を考えながらおっさんに続いて空き家に入る。
うん????凄い暗い。
「電気は……っと、これか」
明かりがつき、一瞬目を細める。
電気あるけど車ないし、パソコンもないんだよなこの世界。どんな文明なんだろホント。
ないと思ってたけど船のエンジンあったし。無いの最初の船位だったし。
明かりがついた中を見渡す。
言われていたように確かに埃がある……というか全体的に薄汚れてる。
これを掃除することになると、色々大変だぞ。時間も遅いのに。
「ほれ」
「はい?」
瞬間、おっさんから何かが飛ばされる。
一直線に自分に向かってくるそれを掴もうとする。
「うぷっ!?」
が、上手くつかめず顔に当たる。
あ、これ雑巾だ。なぜに広げて飛ばしたよ。取りずれぇ。
視界右半分見えんし冷た。
「ほい」
「おぅふ」
投げられた何かがコツンと当たる。
見てみれば今度は丸められた雑巾。右から投げんなおっさん。狙ったろ。
「これもだ、ほれ」
今度は何か細長い物が投げられる。
が、こっちに向かってきたのを今度は白がキャッチする。
どうやら箒の様だ。これで掃除しろってか。
「ゴミは一か所に纏めとけ。届かない所は化けてやれ。上と下、どっちがいい」
「あー……じゃあ上で」
二階の方が範囲狭そうだし。
「じゃ、適当に綺麗にしとけ。お前らの部屋になるかもしれんしな」
「分かりました。行くぞ白」
「はい」
バケツを持ち、白を連れて二階に上がる。
上がりきった先には右側に二つの部屋。どうやら二階はこの二部屋だけらしい。
手前の部屋を開ける。
ふむ、少し狭めだが畳敷きの一般的な部屋だな。
入り、電気をつける。うん、ちょっとけむい。
「白、窓開けてくれ」
「分かりました」
白が窓を開ける間に変化で化ける。上の方やるには背丈が無いと。
「で、畳を箒で掃いて……掃けるか?」
「大丈夫です。上の方は出来ないので、それ位は頑張ります」
ええ子
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