第五十六話 決死の覚悟
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
やるなッ!?しかし――――』
二基目以降は落とさせないと軌道を更に変則的なものにする。始めから軌道を変則的なものとしなかったのはエネルギーの無駄な消費を抑えるためだ。
元々ガンバレルはワイヤーによって繋がれているため、あまりに不規則で出鱈目な軌道をさせてしまえばワイヤーが絡まったりしてしまう。その為、ザフトが使っているドラグーンよりもその点では劣っていると言えた。だが、逆に利点も存在している。
空間認識能力の高い人間ならばワイヤーを絡ませることなど殆どなく、ワイヤーを利用してエネルギーの消費なしに移動させることも可能だ。逆に相手の機体にワイヤーを絡ませることなども出来る。
流石のアスランも一瞬その攻撃の変化に狼狽え、シールドが破壊されてしまうが、ここでこちらが釘付けにされてしまえばルナマリアやショーンに危険が及ぶと考え、意を決して懐に潜り込もうとする。
『正面から来るとはな。その粋は良し!だが討たせてもらおう!』
「――――悪いが、そう簡単に討たせはしない!」
SEEDを覚醒させ、アスランはコックピットにある一つのスイッチを押し、セイバーの左手を正面に突き出す。四方からビームが放たれ、アスランは横や斜め後ろから放たれたビームをバレルロールするように躱す。しかし、それでは正面のビームを躱すことは出来ず、シールドを持たないセイバーではビームの直撃を受けることになってしまう。しかし――――――
『な、何だと!?』
確実に命中するはずのコースを通っていたビームは直前で突如霧散した。このセイバーの兵器は連合がザフトに苦渋を舐めさせた兵器―――Iフィールドだった。しかし、それを知らないモーガンは驚愕する。そもそもIフィールドは連合では大型化しておりデストロイやノイエ・ジールクラスの機体にしか搭載されていない。それをMSに装備している時点で異常といえた。そして、アスランはモーガンが見せた隙を逃すことなくウィンダムの懐に入り込む。
「ここまで近づけば、四方からの攻撃は出来ないはずだ!」
『ぐぅ、だが!』
セイバーの連撃にシールドで防ぐモーガン。脚を切り裂かれている状況では満足に下がって距離を取ることも出来ず、間合いを詰められたまま抵抗するしかなかった。
『た、大尉、援護します!』
味方のウィンダムが援護するために近づこうとする。ビームによる射撃が利いていなかった様子を見てか、サーベルを抜いて斬りかかって来る。しかし、迂闊としか言いようがない。ビームライフルが通用しないという判断は間違いではないが、正解とも言い難い。
先程も言ったように連合ですらIフィールドの取り付けは大型化せざる得ないのだ。核動力でないセイバーはただでさえビーム兵器が多くエネルギーを喰う。両手の甲に取り付けられたIフィールド発生装置は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ