暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 白銀の死神
番外編
黒の剣士:2
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
「…どうも」
「へぇーえ、森から脱出できたんだ。よかったわね」
そう言ってロザリアは口の端を歪める様な、嫌な笑い方をする。
お前、シリカが追いつめられるのわかってたな?

「でも今更帰ってきても遅いわよ。ついさっきアイテムの分配は終わっちゃったから」
「要らないって言ったはずです!ー急ぐのでっ」
シリカは早くこの女から離れたいのだろう。俺たちを引っ張って宿に入ろうとするが…

「あら?あのトカゲ、どうしちゃったのかしら?」
「…っ」
 トカゲとはピナの事だろう。
使い魔はゲームの使用上、主人の傍から離れることは無いから、その姿が見えない以上理由は一つしかない
まあ、俺は例外ではあるが
ロザリアの瞳に宿っているのは明らかな悪意。わざと言っているとしか思えない。こいつ、絶対楽しんでやがるな…

「あらら?あぁ!もしかしてぇ…?」
先ほどよりも更に嫌な笑いを口元に浮かべながらロザリアは畳みかけようとする
しかし、何か言われる前にシリカが口を開いた

「死にました…。でも!」
シリカの目が鋭くなり、ロザリアを睨みつける。

「ピナは、絶対に生き返らせます!」
「ほう」
正直驚いた。ここまで言うとは思えなかったからな

「へぇ、てことは《思い出の丘》に行く気なのね。でも、あんたのレベルで攻略できるかしらね?」
その質問で言葉に詰まるシリカ
っと、仕方ないな

「まぁ、俺たちが付いているしな」

「それに、あそこはそんなに難易度の高いダンジョンじゃない」
俺とキリトが一歩前に出てシリカをかばうように立つ
それを見たロザリアは俺たちを値踏みするように見る
すると
「あんたらもその子にたらしこまれた口?見たとこそんなに強そうには見えないけど」
「言うじゃねえか。まあ、どう言おうが俺は全く構わないがな。さっ、行こうか」
泣きそうになっているシリカを促し、俺達はは宿歩き出した。
うつむいていてよく見えないが、今のシリカは屈辱で顔をゆがませているのだろう

「ま、せいぜい頑張ってね」
 馬鹿にしたように言うロザリアに、シリカは振り向きもしなかった
俺は最後の言葉を発する瞬間、ロザリアの瞳に少しの歓喜と、強い欲望が宿ったのを、見逃さなかった。恐らくキリトも気付いているだろう
全く、面倒だ…
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ