暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜悪夢編
第三十三話 少し頭を冷やしてこい!
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ります」
私の言葉にロイエンタール提督とミッターマイヤー提督が頷いた。

「ロイエンタール提督、ミッターマイヤー提督」
「はっ」
司令長官が呼びかけると二人が司令長官に視線を向けた。
「貴族連合軍にはオフレッサー上級大将が参加しています。余り想像はしたくありませんがレンテンベルク要塞には彼が居るかもしれません。充分に注意してください」
「はっ」
会議室の空気が瞬時に固まった……。


要塞攻略開始後、ロイエンタール、ミッターマイヤー提督は僅か一時間で駐留艦隊を排除する事に成功した。要塞の壁面を破壊すると強襲揚陸艦が接舷し陸戦隊を要塞内部に送り込む、要塞の攻略は間近と思われたがそれ以降四時間経っても要塞は、いや第六通路は制圧できずにいる。

ヴァレンシュタイン司令長官の予測が当たった。装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将が自ら第六通路を守っている。第六通路にゼッフル粒子を充満させ軽火器さえ使えない状況にしているのだ。既に攻撃側は三度の攻撃をかけたが三度とも失敗に終わった。今は四度目の攻撃を行いそれが失敗しつつあるところだ。総司令部の空気は重苦しいものになっている。

「馬鹿な、既に四時間が経っている、何故オフレッサーは交代しない? 装甲服を着用しての戦闘は二時間が限界な筈だ、いかにオフレッサーと言えど連続して四時間も戦えるはずが無い!」
「薬物を使っているのだろう、このまま何時間でも戦い続けるぞ」
ヴューセンヒュッター大佐とシュライヤー大佐の会話に彼方此方から呻き声が漏れた。拙いな、このままでは士気に影響しかねない。ここだけではない、この状況を注視しているであろう全軍にだ。

「総参謀長、ロイエンタール、ミッターマイヤー提督に無理はするなと伝えてください。それと手が空いたら私に連絡するようにと」
「直ぐ繋いだ方が宜しいのではありませんか?」
私が緊急性を訴えたが司令長官は首を横に振った
「現場は今混乱しているでしょう。あの二人にはそちらの収拾を優先させます。私への連絡はそれからで良い」
「はっ」

二人から連絡が来たのはさらに三十分程経ってからだった。二人とも面目無さそうにしている。
『申し訳ありません、第六通路は未だ攻略できずにいます』
ロイエンタール提督が報告すると司令長官が苦笑を浮かべた。
「相手がオフレッサーです、そう簡単にはいかないでしょう」
司令長官の労(ねぎら)いに益々二人が面目無さそうな表情をした。むしろ叱責された方が心の内で毒づく事が出来るだけ楽だろう。

「閣下、オフレッサー上級大将が通信を求めて来ています!」
オペレーターの言葉に皆が訝しげな表情を見せたが司令長官は平然としていた。
「如何されますか?」
問い掛けると司令長官はフイッツシモンズ大佐にスクリーンを見るなと命じた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ