マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
BANQUET
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
幸い遅いのを咎められる事はなく――これはユージーンが居たからだと考えられる――調理班に食材を渡し、それらが焼き上がる数分間はユージーン隊が討伐したインフェルノ・ホースの話題で盛り上がった。
「へえ……フィールドボスでそんな強力なやつが居たのか」
「ああ。正直ユージーンさんが居なきゃもっと時間がかかったな。あの人、指揮能力も本物だ」
「そうか……はぁ」
何時ものメンバーでパーティーを組む場合、最もパーティーリーダー頻度が高いのはキリト。次いでクライン、アスナが大体同率、その次に俺という感じだが、熟錬度で見るならばキリトはお世辞にも上手いとは言えない。
長らくソロプレイをしてきた故、それは仕方の無い事だが…………かなり板に付いてきたのだからあまり気にする必要は無いと思う。
去年の夏。海水浴に行った際にBBQはやったが、あの時は諸々の事情で心から楽しみきれなかったという気持ちがある。
あれから約半年。残る懸念も大方減ってきたとあって俺はかなりくつろいでいた。
「ちょ、レコン!!まだそれ生焼けよ。ちゃんと焼きなさい!!」
「えー……。仮想世界だし、生焼けでも大丈夫じゃ……」
「口答えするな!!」
ゴスッ。
あー……痛そ。
串焼き肉をムシャムシャとやりながら目の前のシルフのむつまじコンビを眺める。
「相変わらず素直じゃ無いんですよ、リーファは」
「みたいだな」
遠慮したにも関わらず、隣で焼き上がった肉を給仕してくれるセラの呆れ混じりのセリフに同意する。
かのALO事件の際、俺はレコンとは直接関わらなかったが、セラに話を聞くところによると、どうやら影の立役者だったようだ。
領主館のスタッフに抜擢されていることからそれなりの実力もあるし、性格も悪くない。これらの点で俺は彼を密かに評価しているのだが、彼の想い人であるリーファ/直葉は何が気に入らないのか激しく拒絶している…………ように見えるが、よくよく観察してみると(キリトを除く)他の男性プレイヤーとの違いに気がつく。
まず、レコンに歩み寄っていく歩調、他に比べやや急いている。
次に特徴的なトンガリ耳、彼との会話中にピクピク微妙に動いている。同時に声も大分トーンが高い、等々。要するに……
「お肉だけじゃなくて、野菜も食べなさいよ!!」
「だから関係な…『ズゴッ』…ゲフッ!?」
「「素直じゃ無いな(ですね)……」」
_______________________________
「あ、レイさん!」
「ウァ、フゴフゴ(あ、来た来た)」
「よ……ってリズ、はしたないぞ」
「ゴクン、っさいわね!」
……色々台無しだぞ、お前。シリカを見習え。
地面にあぐらをかいて肉をむしゃ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ