六月 野心なき謀略(二)
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水の両軍の士官ではなく、法務局出身の法務官僚が筆頭となる。
法務関係は必然的に弓月家のような五将家からは中立的な立場にあるものが一定の勢力を保っている。
また、衆民階級の者も技能さえあれば入り込めることもあり――再就職先も充実しているので人気が高い――五将家の影響力は高くはない
「――成程、やはり今のところ、記者連中に抜かれているのは発表予定だったものだけか」
パサリ、と綴じられた書類の束を戻し、豊久は思案しながら言った。
「あぁ、だから機密に触れていない、記者対策や広報企画を担当している下位の衆民将校達が疑われている」
「だろうな――」
口には出さないが豊久も高等掛が彼らを徹底的に調べているのを黙認している。
なにしろ、言い方は悪いが将家の将校なら余程の事がなければ順調に潤う事ができた。
特に中央に入り込めれば、五将家の懐が痛まないこともあり、給与や手当だけでも相応のものになるのであった。
――無論、それでも欲を出す馬鹿は居るのだろうが
「とりあえず今日はこれを分室に持ち帰って精査する。向こうの分室員達と情報をすり合わせるよ。本格的な監察は明日からだな。
――協力してもらうぞ、平川主任」
「あぁ、分かっているさ。よろしく頼むよ。分室長殿」
馬堂大尉は同期の中尉と視線を交わし、頷きあった。
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