V
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らの方へと向かって行く。
「そちらも随分と場慣れしているようだ」
すぐさま三人はバラける。
破裂する手榴弾の爆音をBGMにタカヤは発砲。
宙にいる俺がそれを躱すことは出来ないが――――
「カルキ!!」
もう一人の俺《ペルソナ》ならば防ぐことは出来る。
俺の声に呼応して顕われたのは外套を纏った英雄、彼は手に持った剣で弾丸を切り払った。
「自覚しとらんかったんちゃうんか!?」
「それを言ったのはジンじゃないの」
「ハ――名前を知らないだけで使えないとは言ってねえだろボケが」
着地し体勢を整える。
軽いジャブの応酬はこれで終わり、これで仕切り直しだ。
「ほう……見事なものだ。あなたは中々に面白い御仁のようですね――ヒュプノス」
ヒュプノスと呼ばれたタカヤのペルソナから炎が放たれる。
俺を焼き尽くさんとする極炎――だが、妙に心は冷えていた。
「お前のイカレてるファッションほどじゃないさ」
カルキの剣が炎を薙ぎ払い、俺の横に逸れていく。
風圧だけで炎を防ぐ――どうやら俺のペルソナのスペックは高いらしい。
「な、なんつー出鱈目や!?」
驚きに目を見開いているジン。
「流石は自ら目覚めたペルソナ使い……と、そう言うべきでしょうか」
タカヤとチドリは驚いてはいるようだが、表情にあまり表れていない。
感情が薄いのか死んでいるのか――――まあ、どうでもいいことだ。
「お褒めに預かり恐悦至極。もっと褒めてくれよ」
剣を持った手とは逆の手を翳すカルキ、放たれたのは極光の雷。
ヒュプノスはそれを躱すことも出来ず、モロに喰らってしまう。
「ッ……見たところ、抑圧――封印? されているようですが、その状態でこれほどの力を持つとは」
ペルソナのダメージは本体にも伝わるのか、タカヤの顔が苦痛に歪んでいる。
もう一人の自分《ペルソナ》である以上、それは当然と言えば当然なのだろうか。
「とは言え、同じ自ら目覚めた者にしては……彼とも毛色が違う。チドリ?」
「……ごめん、よく分からない。分かるのは全力を出せてないってことだけ」
全力を出せていない?
言われてみれば確かにカルキの出で立ちは少々おかしい。
武器であるはずの剣には鎖が巻かれ、全身を覆う白い外套にも鎖が絡みついている。
発現したのは公子と出会った時だったが……いや、今は良い。
全力を出せずとも連中を殺す力があると分かっただけで十分だ。
「どっちでもええわ! 相手はまだ素人同然、このまま押し潰したる!!」
鞄を振る遠心力で回転し、ジンはペルソナを召喚。
独楽が3つ重なったような珍奇な外見は、どうにも笑いを誘う。
「ハ! や
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