暁 〜小説投稿サイト〜
P3二次
V
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
らの方へと向かって行く。

「そちらも随分と場慣れしているようだ」

 すぐさま三人はバラける。
 破裂する手榴弾の爆音をBGMにタカヤは発砲。
 宙にいる俺がそれを躱すことは出来ないが――――

「カルキ!!」

 もう一人の俺《ペルソナ》ならば防ぐことは出来る。
 俺の声に呼応して顕われたのは外套を纏った英雄、彼は手に持った剣で弾丸を切り払った。

「自覚しとらんかったんちゃうんか!?」
「それを言ったのはジンじゃないの」
「ハ――名前を知らないだけで使えないとは言ってねえだろボケが」

 着地し体勢を整える。
 軽いジャブの応酬はこれで終わり、これで仕切り直しだ。

「ほう……見事なものだ。あなたは中々に面白い御仁のようですね――ヒュプノス」

 ヒュプノスと呼ばれたタカヤのペルソナから炎が放たれる。
 俺を焼き尽くさんとする極炎――だが、妙に心は冷えていた。

「お前のイカレてるファッションほどじゃないさ」

 カルキの剣が炎を薙ぎ払い、俺の横に逸れていく。
 風圧だけで炎を防ぐ――どうやら俺のペルソナのスペックは高いらしい。

「な、なんつー出鱈目や!?」

 驚きに目を見開いているジン。

「流石は自ら目覚めたペルソナ使い……と、そう言うべきでしょうか」

 タカヤとチドリは驚いてはいるようだが、表情にあまり表れていない。
 感情が薄いのか死んでいるのか――――まあ、どうでもいいことだ。

「お褒めに預かり恐悦至極。もっと褒めてくれよ」

 剣を持った手とは逆の手を翳すカルキ、放たれたのは極光の雷。
 ヒュプノスはそれを躱すことも出来ず、モロに喰らってしまう。

「ッ……見たところ、抑圧――封印? されているようですが、その状態でこれほどの力を持つとは」

 ペルソナのダメージは本体にも伝わるのか、タカヤの顔が苦痛に歪んでいる。
 もう一人の自分《ペルソナ》である以上、それは当然と言えば当然なのだろうか。

「とは言え、同じ自ら目覚めた者にしては……彼とも毛色が違う。チドリ?」
「……ごめん、よく分からない。分かるのは全力を出せてないってことだけ」

 全力を出せていない?
 言われてみれば確かにカルキの出で立ちは少々おかしい。
 武器であるはずの剣には鎖が巻かれ、全身を覆う白い外套にも鎖が絡みついている。
 発現したのは公子と出会った時だったが……いや、今は良い。
 全力を出せずとも連中を殺す力があると分かっただけで十分だ。

「どっちでもええわ! 相手はまだ素人同然、このまま押し潰したる!!」

 鞄を振る遠心力で回転し、ジンはペルソナを召喚。
 独楽が3つ重なったような珍奇な外見は、どうにも笑いを誘う。

「ハ! や
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ