V
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いなことにこの時間の中で死んだ人間は事故として処理されるらしい。
コイツらのお墨付きもあるから間違いはないだろう。
だったら、処理やら何やらの手間も要らない。
やらない理由がないならば、やることに何の躊躇いもない。
「良いぜ、だったら場所変えようや。クラブの中じゃ狭くてしゃあねえ」
「アホ抜かせや。自分に都合のええ場所ら行かせるかい」
「構いませんよ」
「タカヤ!?」
「ここでやって面倒なことになるのは私達も同じでしょうしね」
遮蔽物の多い場所、加えてこっちは一人で身軽。
数の利を活かすならば最初の時点で問答無用で仕掛けてくるべきだった。
理解が追いつかない状況で戦いに雪崩れ込んでいたら――さて、どうだったか。
「じゃあ着いて来な」
「ええ、エスコートを頼みますよ」
「気持ち悪いこと抜かすな」
先導するために背を向けて歩き出す。
不意を突いて脇の下から曲芸撃ちでもかましてやろうと思ったが……中々に隙がない。
向こうも背後から撃つべきか否かと迷っている気配があるが、俺と同じように攻めあぐねているようだ。
タカヤが所持しているのはチラっと見ただけだが、かなり有名なハンドガンだった。
S&W M500、大口径の化け物。
狩猟用のそれは人体に撃ち込まれたら穴が開く程度では済まないだろう。
「エセキリストが……随分おっかないもんを使ってやがる」
エスカペイドを出てしばし、開けた場所に辿り着く。
ここらならば存分に暴れられるだろう――お互いに。
「……タカヤ、アイツもペルソナ使いよ」
改めて向かい合った時に、今まで沈黙を貫いていたチドリが口を開く。
ペルソナ――仮面?
「天然ものかいな。けど、自覚はしとらんみたいやな。楽で結構なこっちゃ」
顔に出ていたのだろうか? ジンが口の端を歪めて嘲りを浮かべている。
「何を言ってるんだ?」
言葉と同時に発砲、ゴチャマンの基本は弱い奴から潰すこと。
狙い違わず弾丸はチドリの眉間へと向かうが、
「これはこれは、油断ならない方だ」
毛細血管のような翼を生やした奇怪な少年の姿を形作る何かに防がれてしまう。
そうか、恐らくはアレが――ペルソナ。
「ホンマやで。甘く見るのはあかんみたいやな」
言うや、ジンはどこからか手榴弾を取り出し俺に向けて投擲する。
その動作に淀みはなく、極自然な動きだった。
「随分と殺り慣れてるみたいだ……な!」
走って手榴弾までの距離を詰めて飛びあがる。
爆発まではタイムラグがある――ゆえに手は打てるのだ。
衝撃で爆発しない程度の力加減のまま空中で手榴弾を蹴り返す。
オーバーヘッドもどきのそれは見事成功してタカヤ
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