V
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達を誘っていたかのような口ぶりですね」
「そうさ。俺はお前らに会いたくてね。俺に怨みを持ってる人間を焚き付けたのさ」
種が割れてしまえばガッカリと言う他ない。
恐らくはこの時間帯を利用して人間を始末していたのだろう。
あの棺桶状態の人間をどうやって殺したかは知らないが……そこはどうでも良い。
「成る程、この時間に殺せば終わった後では事故やら何やらで処理されるってわけね」
今分かっていることから推測してみたが、そう的外れな見解でもないはずだ。
答えは如何に? 目でタカヤに問うと奴は薄っすらと笑った。
肯定と言うことだろう。
「あなたは聡明な方のようだ。さて、その出で立ちは私達を迎え撃つ――と言うわけではなさそうですね」
「ああ、偶然さ」
「でしょうね。先ほどの態度を鑑みるに、この接触は予想の範疇にはなかったようですし」
俺がコイツらを見ているように、コイツもまたしっかりと俺を見ていたようだ。
何とも油断ならない――――と評するべきか否か。
イマイチ判断がつかないな。
「おたくらの方が詳しいだろうけど、この時間って化け物が出るんだ」
「シャドウのことですか。それで?」
「暇潰しにそのシャドウとやらに会えないかなと思って武装してたら、おたくらに出くわしたってわけよ」
「ですが、我々に会いたいとも仰っていたように記憶していますが?」
「それはそれさ。確かに会いたかったが、今日来るとは――この時間に来るとは予想していなかった」
まったくの偶然だ、そこには何の意図も含まれていない。
ただ、やはり――――既知だった。
こうして顔を突き合わせて話をしていると、前にもこうしていたと感じてしまう。
「では、この出会いは数奇な運命によるものだと?」
「そこまでロマンチックなことは言わないさ。ただ、出会うべくして出会ったとは思うがね」
俺がコイツらを探していて、コイツもまた俺を探していた。
となれば出会うべくして出会った――当然の帰結と言えるだろう。
この程度では既知を打破するには至らなかったのが至極残念だが。
「おいタカヤ、無駄話しとる場合ちゃうやろ。どうすんねん?」
「ジン……おかしなことを言いますね。どうするもこうするも、決まっているでしょう?」
ねばっこい殺気が俺に絡みつく。
タカヤの虚無を閉じ込めたような瞳が俺を見つめている。
「依頼者は利用されたようですが、怨みを持っていることに変わりはない」
「……せやな。すまん、変なこと聞いてもうた」
やる気満々、結構なことだ。
既知であることは分かったが――俺も暇をしていた。
それに、どうにもこうにもコイツらが気に食わない。
目を見ているだけで吐き気がする。
幸
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