V
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「俺に用、ね」
明け方に、俺の家へ行き寝泊り用の着替えなどを持って来るように舎弟に頼んでいた。
その時についでに携帯も持って来させるように頼み、開いてみたら公子からのメールが入っていた。
何やら九日の夜から十九日まで入院していたらしい。
そして何やら用があるので会えないかと言って来た。
「まあ、昨日までならばよかったんだが……」
生憎と俺にもやることがある。
忙しいので無理だと返すとすぐに返事が来た。
では都合の良い日は?
それに対しての返答は不明、だ。
何時復讐代行サイトの人間が来るか分からないから、どうとも言えない。
既に昨夜のうちに依頼を俺の情報を書き込んで送信したそうだが……
「しかし、そんなに俺を殺したいかねえ」
都合の良い日が決まったら連絡をくれと言うメールに返事を返しながらぼやく。
報告によると速攻で喰いついたらしい。
だったら直接殺りに来れば良いのにと思わないでもない。
「あ、起きたんすね。これ、夜飯っす」
ピザを持って来たバーテン、コイツ俺が起きてなかったらどうする気だったのか。
冷めたピザなんぞ喰いたくないぞ。
「おう」
「つーか裏瀬さん寝すぎっしょ」
昼頃に寝て今は二十三時半、確かに寝すぎだろう。
「それより誰かにメールっすか?」
「ん、ああ。もう終わったがね。ちょっと顔洗って来るからお茶か何かよろしく」
「っす!」
起きてすぐに携帯をチェックするよりやるべきことがあるだろうと思わなくもない。
寝起きで頭が働かないと言うのは問題だ。
「キノコとシーフード、それにサラミ……乗せりゃいいってもんじゃねえだろ」
シンプルなシーフードでも良かったのに何でこんなミックス系をチョイスしたのか。
冷めていないからまだ美味しく食べられるが、冷めていたら悲惨だぞこれ。
「ジンジャーエールで良いっすよね? それとこれも」
「そう言うのって普通、行く前に聞くもんだろ。まあ、いいけど」
ジンジャーエールが並々と注がれたグラスと、アタッシュケースが机に置かれる。
「しかし、こんなもん居るんすか?」
「備えあれば何とやらってね。もしかしたら代行人ってのは忍者かもしれねえだろ?」
アタッシュケースを開くと中には御法に触れるブツが収められていた。
白銀のそれはコルト・アナコンダ――平たく言って拳銃だ。
「忍者ねえ……分身とかするんすかね?」
「かもしれねえな。生憎とニンジャブレードの扱いは知らねえもんで、これに頼るしかないのさ」
軽く確かめてみたが整備は既に終わっていた。
手際が良いのは嫌いじゃない。
「死なんといてくださいよ?」
「さあな、確約はしかねる」
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