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パンデミック
第十話「作戦終了後」
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ーーー作戦終了から12時間後


ーーー<<エクスカリバー本部>>


「ブラック・アロー作戦」の司令塔だったヴェールマンは、今作戦についてまとめられた
レポート、書類を真剣な眼差しで眺めていた。
ヴェールマンには、ある疑問が浮かんでいた。

………何かがおかしい。

書類を眺めていたヴェールマンの後ろから、タガートが声をかける。

「どうも、司令」

「あぁ、君か、タガート。ちょうどいい。君もこれを見てくれ」

「?……なんです?」

ヴェールマンが見せたのは犠牲者数・通信履歴が書かれたレポート。
タガートは静かにそのレポートを受け取る。
まず、犠牲者数が記録されたレポートに目を通す。

「……改めて数字として見ると…酷いモンですね」

次に、通信履歴が記録されたレポートを見る。
すると、タガートのページをめくる手が止まった。

……………何も記録されていなかった。

「これは………どういうことですか?」

「見た通りだ。今作戦の通信記録が全く残されていない」




「残されていないというより………誰かに消された……といった方が正しい」


「…………どういうことですか?」

訳が分からなかった。
通信履歴は、突然変異種との遭遇報告や、現存する部隊の数を知る上で必要になるデータだ。
それと同時に……仲間が生きていた証でもあるのだ。
それを………誰かが消した?

「通信履歴だけでも驚くだろう。しかし、犠牲者数記録も見てくれ」

驚きを抑え、犠牲者数記録に目を移した。

「………あの、これも何か?」

「確かに、君が言った通り、酷いものだ。…………犠牲者が"多すぎる"」

………多すぎる?

「新兵を5〜60m クラスの防壁が設置されたレッドゾーンに向かわせたのは無茶だったろう。しかし
それにしては、犠牲者数が多すぎる。レックスやブランクの報告でも、突然変異種をそれほど見てない
とのことだ。ただの感染者ごときに、新兵が易々と殺されるはずがない」

「確かに……訓練を終えたばかりの新兵が何故………」




「私はこう考えている。……兵士の中に、裏切り者がいる」

………………………………え?

「例えば、だ。誰かがわざと感染者の密集した場所に通信で誘導していたとしたら…通信履歴を
その誘導していた兵士が消したとしても、不思議ではない。いや、むしろそれが当然の処理
だろうな」

「そんな……じゃあ、一刻も早くその裏切り者を見つけないと!」

すると、ヴェールマンはしばらく間を空けて答えた。

「いや……しばらく様子を見る。裏切り者も、そう簡単にしっぽを掴ませないだろう」







「し
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