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占術師速水丈太郎  ローマの少女
第二十六章
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しょうか。ほら」
 またカードを一枚引いてきた。そこに出たのは。穏やかでいて思慮深そうな老人のカードであった。これもまた知られたカードであった。
「隠者ですか」
「そうです。ここは思慮深くいきましょう」
「そうですね。カードに従い」
「ええ」
「考えるとしますか。では一旦撤収ですね」
 撤収を提案してきた。どうやら意固地に探すまでもないという考えであるようだ。これはこれで非常に速水らしいと言えるものであった。


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