暁 〜小説投稿サイト〜
弱者の足掻き
四話 「邂逅」
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でながら呪いのように言う。

「今日から、お前の命は俺のものだ」
(屑……何だろうな俺は)

そんな思いも知らぬまま、白が嬉しそうに頷きながらはいと言う。
これで勧誘成功である。
さて、この後は白の服を買い、途中にあった店で変な物買いながら集合場所に戻ればいい。
汚れもその際に落とせばいい。
取り敢えず、一番の問題としては……

(おっさんに、何て説明すっか)
「ま、なんとかなるよな、白」
「あ、それ僕の名前ですか?」
「え?」

ポンポンと頭を叩きながら言った言葉の返答に固まる。
あれ、白って元々の名前じゃなかったの? 
再不斬命名だったんだあれ。ミスった。













「いやさ、確かに好きなもん拾って来いっていったさ。だけどよ、これは流石に想像してなかったぞおい」
(俺だって思ってなかったわボケ)

集合場所の宿屋。俺とおっさんは部屋の中で買った饅頭食いながら話をしていた。

あの後、結局白の名前は白になった。
そして戻る途中で服を買い、買うと決めていた骨董品等は安値をふっかけ微妙な値段で交渉成立。
正直、店の人には嫌われた自信があるね。
宿に戻った時はまだおっさんが戻ってなかったので白を風呂へと送り出し、白が着替えて戻って来たところでおっさん登場。
固まっていたおっさんに事情を話し、今に至る。

「まあ、色々ありまして。白の面倒は僕が見ますので許して下さい。あ、こしあん美味しい」
「そんくらい当たり前だ。まあ、ああ言った手前今回は許すが金はお前の親の使うし次はねえぞ。粒あんの方がうめぇって馬鹿野郎」
「分かりました。まあ白にも色々手伝わせますから。後、いつまで変化してればいいんですか。粒残ってるとか怠慢じゃないですか」
「そうかい。まあ、波の国着いたら手伝うもんあるか分からんがな。
後、今は別にいいが変化は商売手伝う時はずっとしてろ。こしあんの方なんか全部潰すだけだろ。舐めたこと言ってんなよ」
「あ、両方とも美味しい」
「「……」」

白の一言に黙り込む大人二人。いや、変化してるからで大人は一人だけか。
とりあえず、変化を解く。

「……前から思ってたけど、さっきの方がなんかしっくりくるぞ。中身老けすぎだ」
「……そうですか。あ、お茶いただきます」
「……俺も貰うぞ」

ふう、と一息ついたところでおっさんが話を進める。

「とりあえず、白……だったか? はお前が面倒見る。白もそれでいいか?」
「はい」

にこにことしながら返事をする白。うーむ、なんか心洗われるものがある。

「とりあえずそれはそれでいいとして」

あ、いいんだ。おっさん意外と懐広いな。見直したぞ。

「とりあえず買ってきたもの見せろ」

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