暁 〜小説投稿サイト〜
弱者の足掻き
四話 「邂逅」
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くか」
「了解です」

そういい、部屋を出ていこうとするおっさんについて部屋を出ようとする
そうしたら、ああそうそう、とおっさんが何かを渡してきた。
見れば包みに入った握り飯。どうやら、やや遅い朝飯の様なものらしい。後で食うべ、といそいそとバッグに入れている俺を見て、おっさんが口を開いた。

「……どうせなら、もうちょい男前に化けりゃ良かったんじゃねぇのか?」

……前の俺の顔だよこん畜生。なんも考えずに化けるとこれになんだ、握り飯ぶつけんぞ。





(……なんもねぇな。つか雪降ってきたな)

歩いて既に一時間以上。へたしたら二時間は経っている。それだけなのに未だ収穫はほぼゼロである。

(そこらの店で売ってた饅頭とかは買ったが……土産レベルだよな、あれ。売っぱらったやつもロクな値段にならなかったし……どうすんべ)

途中で明らかに怪しい骨董や変なおもちゃみたいのがあったにはあったので、何もみつからなかったらそれを買っていこうと心に決めながら握り飯を食う。せっかくだ、その際はうんと安くふっかけてみよう。
握り飯は程よい塩気にやや硬く握られた米がうまい。沢庵付きとは実に分かってるものだ。
小さい子供なのでホカホカじゃなく、時間が経って少し冷め気味なのもいい。
三つの内二つ目に手を伸ばしながら辺りを見渡すと、分かれ道に目が止まる。

(こっちの方が……狭いな。裏道とか、そんな感じの道行った方が掘り出し物とかありそうだし、狭い方がいいか)

まだおっさんに言われた時間までは結構あるのでそっちに足を向ける。狭い、と言っても人通りが少ないだけで広さ的にはそこまで狭いわけではない。
そんな道を歩き、今は関係のない事を考えながら見えてくるものをボケーと目に移していく。
歩く人、お茶屋、饅頭売ってる土産屋……

(取り敢えず、波の国に着くまでは教本と巻物の修読、それと螺旋丸とか木登り系のチャクラコントロールでいいよな……そういや、固定→放出の順だったっけか)

中から音が聞こえるボロ屋、ゴミ捨て場、続く家……

(場所取る術の練習は出来んし……つーかそもそも、そんな術はまだ使えないな。投擲練習とか出来ないのが辛い)

こじんまりとした服屋、生活音が響く喧嘩中なのが分かる家、店の裏口……

(……そういえば、俺ってどの位の強さに成れんだろ。原作から離れた際、俺に倒せるやつとかいるのか? ……親から見て、才能的には中忍ちょいってとこか。……無理過ぎるな、それ。補正のかからない中忍レベルとかじゃキツ過ぎだろ……)

続く家、ゴミ捨て場、膝を抱いて座り込む汚れた薄着の人生に疲れたような子供……

(……毒での周囲一帯毒煙とかが有効なら助かるんだが……ばれたら後がなぁ。誰か助けてくれる人とか…
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