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は死んだ。
事故か何かだが、確かに死んだのだ。
その後も似たようなことを繰り返してみたが、やっぱり死んだ。
死因は総て事故で処理されているがターゲットにされた人間は総てお陀仏。
重要なのは、過程はどうであれ怨みを買っていた人間は全員死んで、依頼が達成されたと言うこと。
一体どうやって? 何故?
復讐代行サイトに書き込んだ人間が次々と事故で死ぬ――――天文学的な確率だろう。
だからこれは偶然ではない、代行サイトの人間が何かをしたのだ。
「気になって?」
「細かいことは聞いてくれるなよ」
純粋な興味だけで俺は動いている。
それが既知ではないかもしれないとの興味だけ、義憤などは欠片もない。
「あ、ごめん。変なこと聞いて」
「変なことじゃないだろ。すぐに謝るの、どーかと思うがね」
「う……」
困ったような顔で言葉に詰まる、自分でもどうかと思っていたのだろう。
「ちょっと飲み物持って来るよ」
乱暴に頭を撫でまわして部屋を出る。
本当にアイツはガキの頃から変わっていない。
ならば、俺はどうだろう?
俺は俺としてずっと連続していると思っているが、他人の目にはどう映っているのか。
そんなくだらない疑問が浮かぶ辺り、まだまだ酒が抜けきっていないようだ。
「コーヒーと……オレンジジュースしかねえな」
缶コーヒーと缶ジュースを手に部屋へ戻ると風花が険しい顔をしてモニターを見つめていた。
軽く覗いて見るが俺にはさっぱり、まるで理解出来ない。
「あ、キーくん」
「お疲れ。オレンジでいいよな?」
「うん、ありがとう」
「それで――どうだ?」
「……駄目、かなり硬い。このサイト立ち上げたの、かなり出来る人だと思う」
風花にそこまで言わせる手合い、か。
そっち方面に詳しくない俺だが、多分只者ではないのだろう。
「そっか。サンキュ。それが分かっただけでも収穫だ」
もしかしたら身元を割るための何かが分かるかもと思ってした頼みごとだ。
無理だと言うなら、復讐代行人と会う方法は一つしかない。
「え、うん。どういたいたしまして?」
「つーわけで俺ちょっと出かけて来るわ。まあ、ゆっくりしてっていいぜ」
コートを財布とバイクのキーを引っ掴んで部屋を出ようしたら、
「あの!」
「あん?」
「携帯、持っていかなくて良いの?」
机の上に放置されている携帯を指差す風花。
「いらねえ。俺、幾つか使い分けてるし。そっちは使わねえの」
さっきメールを送った時に使っている携帯は持っているから問題ない。
舎弟連中との連絡用に使う分だけあれば十分だ。
「じゃあな」
「あ、うん。行ってらっしゃい」
外に
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